微積分模擬問題【一般私大レベル】

ここでは微積分に関して、実際の一般的な私大の入試問題をもとに作成した模擬問題を載せています。実際の入試レベルにかなり近い内容になっています。どういうレベルの問題があるのか、どう考えて解けばよいかなどを参考にしてみてください。

微分の問題【極値・変曲点問題】

$$■問い:f(x)=\left(\ln \frac{x}{\sqrt{e}}\right)\left(\ln \frac{x}{e^2}\right)であるという。この関数の変曲点の座標はどのようになりますか。$$

一見ごちゃごちゃしていますが、じつはあまり難しくありません。計算間違いだけしないように注意。この手の問題は「じつは単純な問題」である事を把握して確実に丁寧に計算する事がポイントかと思われます。もちろん、基本事項はしっかり覚えている事が前提です。【対数部分の底はeで、lnxではなくlogx表記の場合もあります。】

まず、変曲点と言ってますから微分を2回します。この時に積の微分公式を使う事は明らかですが、どう計算すれば効率よいかを少し考えてみると、式をf(x)=(lnx-1/2)(2lnx-2) と変形するとおそらく一番簡単でしょう。【lnx=2lnx, lne=2といった対数関数の計算に注意。】

$$f^{\prime}(x)=\frac{1}{x}\left(2\ln x-2\right)+\frac{2}{x}\left(\ln x-\frac{1}{2}\right)=\frac{4\ln x-3}{x}$$

このような形になるので、2回目の微分は商の微分公式を使う事になります。

$$f^{\prime\prime}(x) =\frac{\Large{\frac{4}{x}}\cdot \large{x-1\cdot (4\ln x-3)}} {x^2} =\frac{1-4\ln x}{x^2}$$

2階導関数の値が0になるのは 1/4=lnx ⇔ x=e1/4の時で、この前後での符号が変わりますから確かに変曲点です。(記述式であれば増減の表を書いたほうがいいでしょう。)この時のy座標は、もとの関数に代入すると次のようになります。変形後のものに代入すると計算がやや速く済みます。

$$f(e^{\large{\frac{1}{4}}})=\left(\frac{1}{4}-\frac{1}{2}\right)\left(\frac{1}{2}-2\right)=\left(-\frac{1}{4}\right)\left(-\frac{3}{2}\right)=\frac{3}{8}$$

$$∴変曲点の座標は\left(e^{\large{\frac{1}{4}}},\frac{3}{8}\right)【解答】$$

基礎事項を理解したうえで計算に慣れれば、特別数学が得意な人でなくてもこれは5分程度で解けるようになると思います。この問題では一度式変形すれば対数関数の変数部分に関してあまりひねりがないので、微分の計算は比較的すぐ済むからです。基礎事項があやふやな場合には一度再確認してから練習を積みましょう。

基本事項
  • 対数関数の基本性質(および、それを使って手早く計算できる事)
  • 対数関数の微分公式
  • 変曲点の意味(および2階微分)
  • 積の微分公式
  • 商の微分公式

定積分問題【面積・体積計算】

$$■問い:y=|\cos x| とy=\cos \frac{x}{2}の2つの曲線があり、定義域はともに[0,\pi]であるという。$$

① 2つの曲線だけで囲まれてできる閉曲線の内部の面積はいくらですか。
② その部分をx軸に対し1回転させてできる回転体の体積はいくらですか。

定積分計算をするわけですが、この場合は「面積はいくらか」と聞かれてるので、単純に関数を引いて積分してしまうと途中計算のプラスマイナスの符号を間違える可能性があります。どんなグラフになるのか、大体想像はつくかと思いますが図に描いてみましょうか。

絶対値記号がついたほうの関数は本来マイナスになる部分がx軸を対象にしてひっくり返った形になります。

この定義域内で、y=|cosx|はy=cosxとy=-cosxで表される2つの部分に分かれます。定積分問題ですが、三角関数の扱いに慣れていないと解けない・時間がかかってしまう仕様になっています。

これを見ると、1箇所で交わって関数の大小関係が逆転するようです。という事は、まずその交点の座標を知る必要があります。この時に、片方の関数が「半角」の形になっていますが、半角の公式は平方根を含む面倒な形だった事を思い出すと、ちょっと計算に工夫が必要ではないかと推測できそうです。

そこで、半角の公式は直接には使わずに、半角の公式の導出の途中の式を使う事を考えます。(それは加法定理から出すものでした。)まず cos(x/2)=|cosx|とおいて、2乗してみましょう。この時に絶対値記号も取れるので都合がよいです。

$$\cos\frac{x}{2}=|\cos x|\Rightarrow\cos^2 \frac{x}{2}=\cos^2 x$$

$$\Leftrightarrow 2\cos^2 \frac{x}{2}=2\cos^2 x\Leftrightarrow 1+\cos x=2\cos^2 x$$

ここまで変形すると、2次方程式として解く事ができそうです。
この問題の場合は、因数分解で比較的容易に解く事ができます。

$$1+\cos x=2\cos^2 x\Leftrightarrow (2\cos x+1)(\cos x-1)=0$$

このうち、cosx=1のほうの解はx=0になるので、もう1つのほうのcosx=-1/2がほしい交点のx座標です。これはx=2\(\pi\)/3になります。

そこで、面積に関しては3つの部分に分けます。この定積分は一見長ったらしくて面倒ですが、計算自体は難しくありません。2つの曲線同士で「囲まれた部分」と言ってるので交点より右側の区間は積分しない事と、計算間違いしないようにする事だけ注意。

$$S=\int_0^{\Large{\frac{\pi}{2}}}\left(\cos\frac{x}{2}-\cos x\right)dx +\int_{\Large{\frac{\pi}{2}}}^{\Large{\frac{2\pi}{3}}} \left(\cos\frac{x}{2}+\cos x\right)dx $$

$$=\left[2\sin \frac{x}{2}-\sin x\right]_0^{\Large{\frac{\pi}{2}}}+\left[2\sin \frac{x}{2}+\sin x\right]_{\Large{\frac{\pi}{2}}}^{\large{\frac{2\pi}{3}}}$$

$$=2\cdot\sin\frac{\pi}{4}-1+2\cdot\sin\frac{\pi}{3}+\sin\frac{2\pi}{3}-2\cdot\sin\frac{\pi}{4}-1$$

$$=\frac{3\sqrt{3}}{2}-3【①の解答】$$

回転体の体積計算のほうは、まずcos(\(\pi\)/2)を回転させたほうの大きな体積を計算し、続いて |cosx|を回転させた内部の体積を差し引きます。

$$V=\pi\int_0^{\Large{\frac{2\pi}{3}}}\cos^2\frac{x}{2}dx-\pi\int_0^{\Large{\frac{\pi}{2}}}|\cos x|^2dx+\pi\int_{\Large{\frac{\pi}{2}}}^{\Large{\frac{2\pi}{3}}}|\cos x|^2dx$$

$$=\pi\int_0^{\Large{\frac{2\pi}{3}}}\left(\cos^2\frac{x}{2}-\cos^2 x\right)dx$$

$$=\pi\int_0^{\Large{\frac{2\pi}{3}}}\frac{\cos x +1-\cos (2x)-1}{2}dx=\pi\int_0^{\Large{\frac{2\pi}{3}}}\frac{\cos x -\cos (2x)}{2}dx$$

$$=\frac{\pi}{2}\left[\sin x-\frac{\sin 2x}{2}\right]_0^{\Large{\frac{2\pi}{3}}}=\frac{\pi}{2}\cdot \left(\frac{\sqrt{3}}{2}+\frac{\sqrt{3}}{4}\right)=\frac{3\sqrt{3}\pi}{8}【②の解答】$$

回転体の計算で必要なのは2乗なので、cosxと-cosxの区別は計算の中では実質的に不要となっていて、計算の表記を簡易にするために同じ積分区間でまとめられる部分は途中計算でまとめています。

この問題の場合は結局、三角関数の計算が面倒なのでよく慣れて練習しておく必要があります。最初の交点を出すところなどは、まるっきり三角関数の問題です。定積分のところは、落ち着いて計算間違いをしないようにだけ注意が必要で、普段からよく練習しておく事が重要だと思います。

問うている事自体は基本事項を組み合わせているだけなので、難しくありません。
このレベルの問題を確実に・速く解けるとかなり良いと思います。