変数分離形の微分方程式の解法

常微分方程式のうち、変数分離形と呼ばれるタイプの解法について説明します。

変数分離形の常微分方程式は、一般的な微分方程式論の中では最も初歩的な形の微分方程式として扱われるものです。

ただし、このサイトではより高校数学の延長線上にあって入りやすく、かつ物理学での基礎理論で使われるため学ぶ意味も分かりやすいという意味で、最も簡単な部類の微分方程式を別途に挙げてまとめています。一般的な変数分離形の微分方程式よりも、それらのほうがはるかに解くのは簡単でしょう。(形式的にはそれらの中に変数分離形として扱えるものもありますが、専用の公式を使うメリットがありません。)

「変数分離形」の常微分方程式とは?

定義 ■ 具体例 ■ 名前の由来 

定義

まず、どういうものが変数分離形と呼ばれるのかについてです。

一応これは微分方程式論の中で決められています。

y=y(x) すなわちyがxの関数の時に、次の形を持つ常微分方程式を変数分離形と呼びます。

変数分離形の常微分方程式 $$\frac{dy}{dx}=F(x)G(y)$$ の形をしている常微分方程式を「変数分離形」であると呼びます。
ここで、FやGはy=y(x)とは別の関数です。

このように定義はあるわけですが、これだけではちょっと分かりにくいと思います。そこで、具体的にどういうものが該当するのか挙げてみましょう。

変数分離形の常微分方程式①

具体例

F(x)G(y)という積の形ですが、具体的な形としては「割り算」になっていてもよい事に注意しましょう。これは、G(y)=1/{g(y)}のような関数を考えてもよいためです。

具体例:変数分離形の常微分方程式

$$\frac{dy}{dx}=x^2y$$ $$\frac{dy}{dx}=\frac{x}{y}$$ $$\frac{dy}{dx}=\frac{y^2-1}{x}$$ $$\frac{dy}{dx}=\frac{y^3}{x^2+1}$$ $$\frac{dy}{dx}=\frac{x}{\sin y}$$

右辺が実質的にxだけ、yだけで表される場合も該当します。 $$\frac{dy}{dx}=x+1$$ しかしこのような簡単な微分方程式の場合は変数分離形とみなさずに直接解を出してしまったほうが早い場合も多いと思います。

これらのように、確かに右辺がF(x)G(y)の形になるものが該当します。

また、これらの他に、一見するとその形になっていなくても、変数変換をする事で変数分離形にする事ができるパターンのものが存在します。(「変数分離形に『帰着』できる」とよく言います。)

変数変換で変数分離形に帰着できるパターン

例えば次のようなものです。 $$\frac{dy}{dx}=x+y-1\hspace{4pt}\cdots\hspace{4pt}u=x+y-1とおくと\frac{du}{dx}=1+u$$ $$\frac{dy}{dx}=\frac{x^2-y^2}{2xy}\hspace{4pt}\cdots\hspace{4pt}u=\frac{y}{x}とおくと\frac{du}{dx}=x\left(\frac{1-3u^2}{2u}\right)$$ このように変数変換でうまくいくパターンには特徴がある場合も多くて、例えば次の2つの形のタイプは変数変換で変数分離形に変形できます。 $$\frac{dy}{dx}=F\left(\frac{y}{x}\right)の形のもの$$ $$\frac{dy}{dx}=F(ax+by+c)の形のもの$$

名前の由来

解法に関わる事ですが、dy/dxを「形式的」に割り算と見なした時に
G(y)dy=F(x)dxの形に変形ができる事が変数分離形の常微分方程式の特徴です。

数学の微積分学・解析学ではdy/dxは極限値を表す1つの記号と約束するのですが、dyとdxを「分離する」考え方は数学の微分方程式論でも扱われる場合があります。

形式的な変数分離形の常微分方程式の捉え方

変数分離形の常微分方程式は、次のように形式的に書かれる場合もあります。 $$G(y)dy=F(x)dx$$

一般的解法の手順

①xとyの関数を両辺に分離する ■ ②両辺を積分変数xで積分する ■ 変数変換を含む場合の解法 

①xとyの関数を両辺に分離する

まず、両辺をG(y)(≠0)で割ります。(実質的には乗じる事になる場合もあります。)

$$G(y)\neq 0のもとで\frac{dy}{dx}=F(x)G(y)\Leftrightarrow \frac{1}{G(y)}\frac{dy}{dx}=F(x)$$

このとき、同時に両辺に「dyをかける」と説明がなされる事もあります。それでも微分方程式を解く事はできますが、ここではそれはやらないで話を進めましょう。

②両辺を積分変数xで積分する

次に、両辺を積分変数xで積分します。微分方程式の一般解法では、普通は不定積分を考えます。この時、積分定数も書いてもいいのですが、ここでは積分定数は不定積分に含まれていると考えて、全ての積分記号がなくなった時に積分定数を書く方法を採用します。

$$\int \frac{1}{G(y)}\frac{dy}{dx}dx=\int F(x)dx$$

この左辺は置換積分の形になっていますから、積分変数をyに変える事ができます。もし定積分である場合は、もちろん積分区間についてもきちんと対応させて変えなければなりません。

$$\int \frac{1}{G(y)}\frac{dy}{dx}dx=\int\frac{1}{G(y)}dyにより、$$

$$\int\frac{1}{G(y)}dy=\int F(x)dx$$

この形にする事で、具体的に積分を計算して解とするのです。

★この時の置換積分の操作を省略して「両辺を積分すると」などと言う事もあります。ただし、微積分学的には置換積分によって結果的にそういう事ができる、という事です。

ただし、ここで具体的な積分計算がしやすいとは限らず、ものによっては手計算では手に負えない場合もあります。一般論としての解法は、あくまで上記の形には確実に変形できるという事を言っています。

そこから先は、同じ変数分離形であっても、個々の微分方程式の形によって簡単に解けるか手計算ではてこずる内容であるかは大きく変わってくるのです。

変数変換を含む場合の解法

次の形のものは、変数変換によって変数分離形に変形できることを簡単に前述しました。

$$\frac{dy}{dx}=F\left(\frac{y}{x}\right),\hspace{5pt}\frac{dy}{dx}=F(ax+by+c)の形のもの$$

まず前者については次のようにします。u=y/xと変数変換します。

$$u=\frac{y}{x}\Leftrightarrow y=ux\Rightarrow\frac{d}{dx}y=\frac{d}{dx}(ux)$$

$$\Rightarrow\frac{dy}{dx}=\frac{du}{dx}x+u$$

y=uxの両辺を「xで」微分しています。右辺については、積の微分公式を使っています。(yはxの関数なのでuもxの関数と考える事ができる事に注意。)

さてここで、dy/dxについてはもとの微分方程式をそのまま代入できます。

$$\frac{dy}{dx}=F\left(\frac{y}{x}\right)=F(u)であったから、F(u)=\frac{du}{dx}x+u$$

$$∴\frac{du}{dx}=\frac{F(u)-u}{x}$$

このようになるので、F(u)-uという新たなuに関する関数と、1/xという関数で構成される変数分離形になるわけです。これによってuをxで表し、uをxとyの形に直せばxとyの関係式が得られます。

★微分方程式一般について言える事ですが、積分の計算ができたとしても必ずしもy=f(x)の形にならずにf(x,y)=0の形になる場合もあります。これを微分方程式の解の「陰関数表現」と言います。

変数変換できるパターンの2つ目のタイプも見てみましょう。

これはもっと簡単で、u=ax+by+cとおいて、両辺をxで微分します。

$$\frac{du}{dx}=a+b\frac{dy}{dx}$$

これに、もとの微分方程式dy/dx=F(ax+by+c)=F(u)を代入するのです。

$$\frac{du}{dx}=a+bF(u)$$

この場合、a+bF(u)という関数を新たなuの関数と考えますこの時xのほうの関数は定数関数1です(もちろん最終的にはuをxで表せます)。

a+bF(u)≠0のもとでこの関数で両辺を割り、積分操作をします。
ここでは置換積分の箇所は省略して記しましょう。

$$\int \frac{1}{a+bF(u)}du=\int dx=x+C$$

この場合については定数関数1をxで積分してxという関数が必ず出てきます。

具体例

普通の変数分離形の場合 ■ 面倒くさい例 ■ 変数変換を使う例 

普通の変数分離形の場合

では、具体例として次の微分方程式を解いてみましょう。まず簡単な例です。

$$\frac{dy}{dx}=\frac{3x^2}{y}$$

両辺にyをかけて、変数を両辺に「分離」します。

$$y\frac{dy}{dx}=3x^2$$

積分操作をします。(置換積分部分を省略します。)

$$\int ydy=\int 3x^2dx$$

$$\frac{1}{2}y^2=x^3+C$$

y=y(x)の形に直すなら次の形になります。

$$y=\pm\sqrt{2x^3+C}$$

少々汚い形ですが、これが正しいかどうかはxで微分をしてみる事でチェックできます。

$$\frac{dy}{dx}=\pm\frac{1}{2}\frac{3\cdot 2x^2}{\sqrt{2x^3+C}}=\frac{3x^2}{\pm\sqrt{2x^3+C}}=\frac{3x^2}{y}$$

面倒くさい例

さて次の例は、考え方は同じですが積分計算が面倒な例です。
ただし手計算で計算できます。

$$\frac{dy}{dx}=\frac{y^2-1}{2x}$$

両辺をyの関数(右辺の分子の関数)で割ります。

$$\frac{2}{y^2-1}\frac{dy}{dx}=\frac{1}{x}$$

この時の定数係数の「2」は右辺に持っていっても左辺に持っていってもどちらでも解けます。ただ、これについては左辺に置いた方がじつは計算が楽です。

積分操作を試みます。

$$\int \frac{2}{y^2-1}dy=\int\frac{1}{x}dx$$

さて、右辺は対数関数で表せますが左辺はどうでしょう。
これは結局、普通の積分の練習問題になります。

結論を言うと、この場合は「部分分数分解」で手計算により処理可能です。

$$\int \frac{2}{y^2-1}dy=\int \frac{1}{y-1}dy-\int \frac{1}{y+1}dy$$

$$=\ln |y-1|-\ln |y+1|+C_0=\ln \left|\frac{y-1}{y+1}\right|+C_0$$

変数分離形の常微分方程式②
具体的な積分の項の計算の段階になると、微分方程式というよりは初等関数の積分の計算の練習問題になります。

よって、微分方程式は次のように解けます。積分定数はCひとつにまとめます。

$$\ln \left|\frac{y-1}{y+1}\right|=\ln |x|+C$$

この場合はさらに式を簡単にできてy=y(x)の形にもできます。(定数部分を指数関数の形で表せば右辺を1つの対数関数としてまとめられます。最後の定数は新たに設定します。)

$$\frac{y-1}{y+1}=x+C_1\hspace{5pt}∴y=\frac{1+C_1x}{1-C_1x}$$

変数変換を使う例

参考までに、変数変換を使う具体例の解法も1つ記しておきます。

$$\frac{dy}{dx}=\frac{x^2-y^2}{2xy}\hspace{4pt}\cdots\hspace{4pt}u=\frac{y}{x}とおくと\frac{du}{dx}=x\left(\frac{1-3u^2}{2u}\right)$$

この変換の過程について補足しておくと次のようになります。

$$\frac{x^2-y^2}{2xy}=\frac{1}{2}\left(\frac{x}{y}-\frac{y}{x}\right)=\frac{1}{2}\left(\frac{1}{u}-u\right)$$

$$F(u)=\frac{1}{2}\left(\frac{1}{u}-u\right)$$

$$F(u)-u=\frac{1}{2}\left(\frac{1}{u}-3u\right)=\frac{1-3u^2}{2u}$$

xとuに関する微分方程式になった時点で、xとuを分離します。ここでは積分までまとめて記しましょう。分母が零にならない条件で次のようになります。

$$\int\frac{2u}{1-3u^2}du=\int \frac{1}{x}$$

この積分の右辺は対数関数で表せますが、じつは左辺も対数関数で表せるのです。

$$-\frac{1}{3}\ln |3u^2-1|=\ln |x| +C$$

のようになり、これも対数を取り払ってuとx、yとxの関係式で表す事もできます。

この変数分離形の微分方程式は、物理学や工学の理論で使う場合もありますが、一般の解法についてはむしろ数学の微分方程式論の中の1つの位置付けとして見ておいたほうがよいのではないかと思います。

特性方程式による微分方程式の解法

今回は「特性方程式」という多項方程式を解く事で、
特定の種類の微分方程式の解を得る手法について述べます。

★この記事は大学数学の微積分学入門の9回目です。

この方法で解けるのは「定数係数」で「線型」の「常微分」の微分方程式です。
「1階微分=ゼロ」「2階微分」=ゼロ」といった簡単に解ける微分方程式はその仲間です。それらの解法の延長線上・発展事項として今回の内容があります。n階の定数係数の線型常微分方程式の数学的な一般的解法を、この記事では詳しく見ていく事になります。

式が少し込み入る計算も含みますが、今回の内容で必要な公式は微積分の基本公式だけです。一部、複素関数論や代数学の話も含まれますが、そこは参考までに眺めるだけでも差し支えない箇所です。

「定数係数の線型常微分方程式」・・というのは名称が長いので、今回の記事の内容に限っては「常微分」であることや「線型」である事は前提として、単に「微分方程式」と記す事もあります。

今回扱うのは、一般のn階の「定数係数」の「線型」常微分方程式です。 (その中でもさらに「斉次」 のものです。ただし、非斉次のものも変形して斉次として扱える場合があります。)

「特性方程式」とは?

n階の定数係数の線型常微分方程式について、それぞれの階数の微分の部分に定数係数がくっついているわけですが、この時に次の対応を考えます:

$$n階微分の項に対する定数係数c_n \hspace{10pt} → \hspace{10pt} c_nx^n【定数項はそのまま定数項に対応】$$

この対応で作る多項方程式を、 定数係数の線型常微分方程式の特性方程式と言います。

具体的な3次の例で見てみますと、次のようになります。

$$微分方程式:y^{\prime \prime \prime }+3y^{ \prime \prime }-2y^{\prime }+1=0$$

$$対応する特性方程式:x^3+3x^2-2x+1=0$$

一般のn次の特性方程式は次のようになります。

n次の特性方程式

次のような
$$\frac{d^n}{dx^n}f(x)+c_{n-1}\frac{d^{n-1}}{dx^{n-1}}f(x)+\cdots+c_2\frac{d^2}{dx^2}f(x)+c_1\frac{d}{dx}f(x)+c_0f(x)=0$$
というn階の定数係数の線形常微分方程式に対して、
微分方程式で使われている定数係数\(c_1,c_2,\cdots\)を用いたn次方程式

$$x^n+c_{n-1}x^{n-1}+c_{n-2}x^{n-2}+\cdots+c_3x^3+c_2x^2+c_1x+c_0=0$$
の事を、その微分方程式に対する特性方程式(characteristic equation)と言います。
特性方程式の解の事を「特性根」と言う事もあります。

このように具体例で見たほうが分かりやすいかもしれませんね。

このように、作り方自体は簡単です。じつは特性方程式の「解」が、微分方程式のほうの解に直接関係します。根底にあるのは、自然対数の底 e の指数関数の微分演算です。微分して得る導関数が元の関数と同じであり、合成関数の微分を利用すると「元の関数×定数倍」という形を作れます。このパーツを上手に利用する事で、一般的には特性方程式とその解を計算すればよい、という理論になるのです。

用いる微積分の基本公式は、自然対数の底 e の指数関数と合成関数の微分公式です。それと積の微分公式も使用します。

対象の関数微分公式微分方程式の解法での役割
自然対数の底 e の指数関数\({\large \frac{d}{dx}e^x=e^x}\)微分すると元の関数に戻る
合成関数の微分\({\large \frac{df(y)}{dx}=\frac{df(y)}{dy}\frac{dy(x)}{dx}}\)微分方程式内の定数倍などを調整
積の形の微分\({\large \frac{d}{dx}(fg)=\frac{df}{dx}g+\frac{dg}{dx}f\frac{dy(x)}{dx}}\)このページで解説する証明で使ったりします。
  • 微分してない、もとの関数:\(e^{\alpha x}\)
  • 微分1回目:\(\frac{d}{dx}e^{\alpha x}=\alpha e^{\alpha x}\)
  • 微分2回目:\(\frac{d^2}{dx^2}e^{\alpha x}=\alpha^2 e^{\alpha x}\)

2階の場合の定数係数の微分方程式と、2次の特性方程式の関係が一般のn次の場合の解法の基本になりますので次に詳しく解法を見ます。

これは2次の特性方程式(多項方程式としては2次方程式)が異なる2つの実数解を持つ場合ですね。ただし、特性方程式が重解や複素数解を持つ場合でも、e の指数関数が重要である点には変わりありません。

2次の特性方程式が複素数解を持つ場合

2次の特性方程式が「異なる2つの実解」を持つ場合は、自然対数の底 e の指数関数を用いればよい事を、
以前の記事で詳しく述べてあります。

「じゃあ、そうでない場合はどうするのですか。」

まず、解が複素数解(虚数単位 i を含む解)である場合を述べます。この場合のほうがじつは比較的簡単です。解の表現としては虚数単位 i を含む形と、含まない形の両方で表現可能です。任意定数として複素数も許容されるとする事によって、定数をてきとうに調整すれば両者は同等になります。2つの形を両方記しておきましょう。

2次の特性方程式が複素数解である場合の微分方程式の解 2次の特性方程式の解が \(x=A+Bi\) である時、
対応する微分方程式の解 y は次のように表されます: $$①虚数単位iを含む形で表す場合:y=C_1e^{\alpha x}+C_2e^{\beta x}$$ $$②実数でのみで表す場合:y=C_1e^{Ax}\cos (Bx)+C_2e^{Ax}\sin (Bx)$$ $$C_1とC_2は任意定数【特に①の場合、複素数も含めた任意定数です。】$$

①の形は、特性方程式の解が異なる2つの実数解である場合と同じ形です。①と②の2つの形が同等である事の詳細は後述しますが、複素数も含めた任意定数を上手に調整する事で示します。実数のみで表す事も可能である事から、物理の古典力学の範囲でも普通に意味を持つ事が見えるかと思います。

複素数を r(cosθ+i sinθ) という「極形式」で表したうえで、 r(cos(θx)+i sin(θx)) という関数を考えてみます 。【このように複素数を含んだ関数を、数学上は複素関数とも言います。】

この形の関数は、じつは微分した時に、e の指数関数と同じ性質を持っています。
r と θ は定数としたうえで、試しにxで微分してみると:

$$\frac{d}{dx} r(\cos( \theta x)+i \sin( \theta x)) = r\theta (-\sin ( \theta x) +i\hspace{5pt}\cos ( \theta x) )=i \theta r (\cos( \theta x)+i \sin( \theta x)) $$

$$微分した後の式変形では、i^2=-1という関係を使っています。$$

【r等も変数ならxで偏微分という事になりますが、ここではr等は定数としてxでの「常微分」です。】

この結果を注意して見ていただくと、 xについてのもとの関数を「iθ 倍」したものと同じです。これは e の指数関数と同じ性質であり、指数関数の変数として複素数も考えるとするとじつは次のように書けます:

ポイントとなる1つの関係式

$$re^{i\theta x}= r(\cos( \theta x)+i \sin( \theta x)) $$ $$(おおもとの形:e^{i\theta}=\cos \theta +i\sin \theta)$$

この関係式は、ある条件(※)をつける事によって、変数が複素数範囲の場合は本質的にこの形として表してよいというものです。【(※):複素関数が「正則関数」であるという条件です。】

形式的には、e の指数関数のマクローリン展開(x=0でのテイラー展開)に、xの代わりに「 ix を代入してみて」、そこに正弦と余弦のマクローリン展開を「代入」する事で複素数の「指数関数表示」を得ます。ただし、より正確には複素数変数の指数関数を新たに定義するか、正則関数としての指数関数の複素数領域への拡張はただ1通りしかないという論法で指数関数表示を考察します。

この事を踏まえて、微分方程式 y”+ay’+by = 0 の解を考察します。
ここで、特性方程式の複素数解について、極形式ではなくて A + Bi の形のほうを考える事がポイントです。その形を、指数関数に適用してみましょう。

$$e^{\alpha x}=e^{(A+Bi)x}=e^{Ax}e^{Bi}x$$

これを、xで微分してみましょう。

$$\frac{d}{dx} e^{\alpha x}= \frac{d}{dx} ( e^{Ax}e^{iBx})=Ae^{Ax} e^{iBx} +iB e^{Ax} e^{iBx} =(A+Bi) e^{Ax} e^{iBx} = (A+Bi) e^{\alpha x}=\alpha e^{\alpha x} $$

このように、積の微分公式を使って丁寧に計算すると、微分の演算は実数係数の場合と全く同じ形になる事が分かります。 これは結局のところ、指数関数の部分が係数が乗じられる以外には形が変化しない事に起因しています。

と、なると解が異なる2つの実数ではなくて複素数であったとしても、

$$解は y=C_1e^{\alpha x}+C_2 e^{\beta x}の形で表せるという事です。 $$

微分方程式のほうの解を実数だけで表す方法

さて、前述のようにじつはこれを実数だけで表す事も可能です。

$$さきほどのe^{\alpha x}=e^{(A+Bi)x}=e^{Ax}e^{Bi}xという関係を使いましょう。ここで\beta=A-Biである事は重要です。$$

$$y= C_1 e^{Ax}e^{Bi}x +C_2 e^{Ax}e^{-Bi}x = C_1 e^{Ax} (\cos (Bx)+i\sin (Bx))+ C_2 e^{Ax} (\cos (Bx)-i\sin (Bx)) $$

$$= (C_1+C_2) e^{Ax} \cos (Bx) +i e^{Ax}\sin(Bx)(C_1-C_2)$$

$$C_1+C_2=C_3, C_1-C_2=iC_4 とすると、【そのようにおいてもよい事に注意】$$

$$y= C_3 e^{Ax} \cos (Bx) +C_4e^{Ax}\sin(Bx) $$

このように、任意定数も複素数であってよい事から「i を消せる」のです。特性方程式の2つの解が(必ず)共役複素数である事により、このように計算できます。
ここで、新しく作った2つの任意定数も複素数範囲で成立しますが、その中で実数に限定すれば実数範囲の任意定数による一般解として表せるわけです。

特性方程式の解(特性根)が異なる実数解の場合と複素数解の場合とでは、同じ形として微分方程式のほうの解を表す事が可能です。

2次の特性方程式が重解を持つ場合

次に、2次の特性方程式が重解(必ず実数)を持つ場合です。
証明に関してはこの場合がじつは一番面倒で、一般解は次のようになります。

2次の特性方程式が重根を持つ場合

特性方程式の解(重解)を \(\alpha\) とすると
微分方程式 \(y^{\prime\prime}+Ay^{\prime}+By=0\) の解は次のようになります:

$$y=C_1e^{\alpha x}+C_2xe^{\alpha x}=e^{\alpha x}(C_1+C_2x)$$ 「x が指数関数に乗じられる」という形の項が、オマケでくっついてくるわけです。
\(e^{\alpha x} \) にxの1次関数が乗じられていると考える事もできます。

この解は、実際に微分してみると確かに微分方程式を満たす事は割と簡単に分かりますが、パっと見では2番目の項も含まれる事は、なかなか気づかないと思います。そこで、この解の詳しい導出について見ておきましょう。

$$演算子として\hat{D}=\left(\frac{d}{dx}-\alpha\right) を定義しておきます。 \hat{D} y= \frac{dy}{dx}-\alpha yです。$$

$$ \hat{D}^2=\hat{D} (\hat{D}) と定義すると \hat{D}^2= \left(\frac{d^2}{dx^2}-2\alpha \frac{d}{dx} +\alpha ^2\right) です。$$

$$\hat{D}^2y= \frac{d^2y}{dx^2}-2\alpha \frac{dy}{dx} +\alpha ^2y $$

この記号は別に定義しなくても証明はできますが、計算が結構煩雑なので過程を詳しく見るのに役立ちます。これはあくまで、ここでの計算だけに適用する便宜上の記号です。
(「演算子」という言葉と考え方自体は、物理でも良く使います。特に量子力学などにおいてです。)

特性方程式が重解を持つという設定ですから

$$x^2+Ax+B=(x-\alpha)^2= x^2-2\alpha x +\alpha^2より、 A=-2\alpha,B=\alpha^2$$

$$よって、y^{\prime\prime}+Ay^{\prime}+By= y^{\prime\prime} -2\alpha y^{\prime}+ \alpha^2 y= \hat{D}^2y$$

$$特性方程式が重解を持つならば、 y^{\prime\prime}+Ay^{\prime}+By=0 \Leftrightarrow \hat{D}^2y =0 という事です。$$

$$ここで、\hspace{5pt}e^{-\alpha x}y \hspace{5pt} という関数を考えると話がうまく進みます。$$

これの1階微分は、単純に積の微分公式を用いて計算を進められます。

$$\frac{d}{dx}(e^{-\alpha x}y)=-\alpha e^{-\alpha x}y+e^{-\alpha x}(y^{\prime})=e^{-\alpha x} \left (\frac{d}{dx}-\alpha \right)y$$

2階微分も積の微分公式を用いて計算を進められます。

$$\frac{d^2}{dx^2}(e^{-\alpha x}y)=\frac{d}{dx}\left\{e^{-\alpha x}\left(\frac{d}{dx}-\alpha \right )y\right\}=-\alpha e^{-\alpha x} \left (\frac{d}{dx}-\alpha \right )y+e^{-\alpha x}\frac{d}{dx}{\left(\frac{d}{dx}-\alpha\right)y}$$

$$= e^{-\alpha x} \left \{ -\alpha (\hat{D}y) + \frac{d}{dx}(\hat{D}y)\right \}= e^{-\alpha x} \left\{\left(\frac{d}{dx}-\alpha \right ) (\hat{D}y)\right\} = e^{-\alpha x} \hat{D}^2y $$

$$※ \left(\frac{d}{dx}-\alpha \frac{d}{dx} \right )y=\hat{D}y が1つの塊であり、 e^{-\alpha x} とのつながりは「通常の掛け算」である事に注意。$$

$$すると、 \hat{D}^2y =0 ならば e^{-\alpha x} \hat{D}^2y つまり \frac{d^2}{dx^2}(e^{-\alpha x}y)=0です。$$

$$ \frac{d^2}{dx^2}(e^{-\alpha x}y)=0 という形は、「2階微分=0」という形の微分方程式です。$$

「2階微分=0」という形の微分方程式の解は1次関数です。
つまり、次の事が言えるわけです:

$$「特性方程式が重解を持つ」 \Rightarrow y^{\prime\prime}+Ay^{\prime}+By=0 \Leftrightarrow \hat{D}^2y =0 \Rightarrow \frac{d^2}{dx^2}(e^{-\alpha x}y)=0 $$

$$ \Rightarrow e^{-\alpha x}y =C_1x+C_2 \Leftrightarrow y= e^{\alpha x}(C_1x+C_2)[証明終り]$$

最後の式変形は、両辺に\(e^{\alpha x}\)を掛けただけです。
2次の特性方程式が重解を持つという条件があると、必然的に指数関数に「1次式」を乗じた形の関数が解になってしまうという事です。

n階の定数係数の線型常微分方程式の解法

さて、以上で2階の場合の考察を見てみましたが、3階以上の場合も基本的な考え方は同じです。ただし、3次以上の場合の特性方程式は実数解と複素数解が両方含まれている事もあり、実数解の場合は重解かそうでないかにも分かれます。

特性方程式が「解けた」という前提のもとで話を進めるとすると、その解を用いて微分方程式のほうの係数を表せます。表記を簡単にするため、4階のものを例に考えます。上記で、特性方程式の解が重解の場合に用いたような演算をここでも行います。

$$\frac{d^4y}{dx^4}+A_3 \frac{d^3y}{dx^3} +A_2 \frac{d^2y}{dx^2} +A_1 \frac{dy}{dx} + A_0y=\left(\frac{d}{dx}-\alpha_1\right) \left(\frac{d}{dx}-\alpha_2\right) \left(\frac{d}{dx}-\alpha_3\right) \left(\frac{d}{dx}-\alpha_4\right)y $$

$$A_3=\alpha_1+\alpha_2+\alpha_3+\alpha_4, A_0=\alpha_1 \alpha_2 \alpha_3 \alpha_4 等が成り立っています。 $$

1つ1つの解が「異なる実数解」や複素数解であれば2階の時と考え方は全く同じで、それらの解と e の指数関数を組み合わせ、任意定数とも合わせて加え合わせる(これを「線型結合」と呼びます)事を考えればよいのです。

$$つまり、C_1e^{\alpha_1 x}+ C_2e^{\alpha_2 x} + C_3e^{\alpha_3 x} + C_4e^{\alpha_4 x} などが解になります。$$

複素数解の部分は、2階の時と同じく実数だけで表す事もできます。共役になってる2解を用いて、指数関数と三角関数の積で表せます。(n次方程式の場合も、複素数解がある場合は必ず共役なもの同士が2つ1組になっています。)

$$例えば\alpha_1 と\alpha_2が共役な複素数解なら、\alpha_1=A+Bi, \alpha_2=A-Bi として$$

$$C_1e^{\alpha_1 x}+ C_2e^{\alpha_2 x}の部分をe^{Ax}(C_a\cos (Bx)+C_b\sin (Bx) )に変えても同じです。$$

「では、重解が含まれていたらどうなるのですか?」

n階の場合も、面倒なのは重解を持つ場合です。この場合、3重解4重解・・などを持つ事もあり得るので、考え方は2階の時と似ていますが別の補題を証明する必要があります。

補題 $$任意の自然数nに対して、 \frac{d^n}{dx^n}(e^{\alpha x}y)=e^{\alpha x}\left\{\left(\frac{d}{dx}+\alpha\right)^ny\right\}$$ $$ここで、\left(\frac{d}{dx}+\alpha\right)^nは\left(\frac{d}{dx}+\alpha\right)^2=\left(\frac{d}{dx}+\alpha\right)\left(\frac{d}{dx}+\alpha\right)=\left(\frac{d^2}{dx^2}+2\frac{d}{dx}\alpha+\alpha^2\right) 等の事。$$

これは、数学的帰納法を用いて丁寧に計算すると証明できます。

まず、n=1の場合は積の微分公式を用いてるだけで、これは成立します。

あるnで成立するとして、n+1の場合を考えます。

$$\frac{d^{n+1}}{dx^{n+1}}(e^{\alpha x}y)=\frac{d}{dx}\left\{\frac{d^n}{dx^n}(e^{\alpha x}y)\right\}= \frac{d}{dx}\left[ e^{\alpha x}\left\{\left(\frac{d}{dx}+\alpha\right)^ny\right\}\right]$$

$$=\alpha e^{\alpha x}\left\{\left(\frac{d}{dx}+\alpha\right)^ny\right\} + e^{\alpha x} \frac{d}{dx}\left[ \left\{\left(\frac{d}{dx}+\alpha\right)^ny\right\}\right] $$

$$= e^{\alpha x} \left( \frac{d}{dx} +\alpha\right) \left\{\left(\frac{d}{dx}+\alpha\right)^ny\right\} = e^{\alpha x} \left\{\left(\frac{d}{dx}+\alpha\right)^{n+1}y\right\} $$

よって、n+1の時も成立しますので任意の自然数nで成立します。【補題の証明終り】
式が少々ごちゃごちゃしますが、使っているのは積の微分公式だけです。

さて、この補題を使ってどのように微分方程式のほうの解を考えるかと言いますと、次のようになります:

$$例えば N 重解になる部分について微分方程式を \left(\frac{d}{dx}-\alpha\right)^ny=0 と表せますから、 $$

$$ \left(\frac{d}{dx}-\alpha\right)^ny=0 \Rightarrow e^{-\alpha x} \left(\frac{d}{dx}-\alpha\right)^ny=0 \Rightarrow \frac{d^n}{dx^n}( e^{-\alpha x}y)=0$$

【※プラスマイナスの符号が上記補題と入れ替わるので注意してください。\(\alpha\) を \(-\alpha\) に置き換えます。】

$$つまり「e^{-\alpha x}yという関数をn回微分すると0になる」という式になります。$$

1回微分して0になる関数は定数関数、2回微分して0になる関数は1次関数であるわけですが、n回微分して0になる関数は(n-1)次関数です。

$$よって、 e^{-\alpha x}y =x^{n-1}+C_{n-2}x^{n-2}+\cdots+C_2x^2+C_1x+C_0$$

$$\Leftrightarrow y= e^{\alpha x}( x^{n-1}+C_{n-2}x^{n-2}+\cdots+C_2x^2+C_1x+C_0 )という事になります。$$

指数関数に(n-1)次関数を乗じた形の解になります。2次の特性方程式が重解を持つ時には指数関数に1次式を乗じた形の解であったわけですが、それもこのn次の場合の解の形に含まれるわけです。

$$特性方程式の解が3重根であれば、微分方程式のほうの解はy= e^{\alpha x}( C_2x^2+C_1x+C_0 ) になります。$$

この特性方程式の重解の部分に対する微分方程式のほうの解を、異なる実数解や複素数解に対応する微分方程式の解に加え合わせて、全体の一般解になるわけです。

参考:n次方程式について

複素数係数のn次方程式は、m重解の部分をm個の解と数えると約束するうえで、n個の複素数解(実数解を含めて)を必ず持ちます。これは代数学の基本定理と呼ばれます。(代数学の「基本」となる定理なのかは別問題ですが・・。)
また、2次方程式には「解の公式」がありますが、多項方程式の係数の加減乗除とベキ根(2乗根、3乗根など)の組み合わせで解を一般的に表せるのは4次方程式までで、5次方程式以降は一般的にはその手法では解けない事が知られています。つまり、5次方程式以降は、解は確かに存在するけれど、2次方程式同様の「解の公式」によって手計算で一般的に解く事はできないという事です。(係数のベキ根によって解けるものもありますが、解けないものもあるという事です。)
しかしそうなると、定数係数の線型常微分方程式についても、n次方程式が解ければ微分方程式の解も分かるわけですが、肝心のn次方程式の解のほうが、高次の場合には手計算では一般的には解けない事になるのです。・・そのため、この微分方程式の理論は、ちょっと肝心なところが抜けているという感もあるかもしれません。あくまで、理論的にはこのように言えるという事を踏まえる必要があるかと思います。
代数学の基本定理は代数学の手法で証明する事もできますが、解析学的に証明する方法もあります。ベキ根による「解の公式」の存在(可解性などと言います)については、より代数学的な話なります。

特性方程式による、常微分方程式の解法についての考察

以前考察した簡単な微分方程式の解法について、特性方程式の観点からまとめと考察をしてみます。

解法のまとめと一覧表 ■ 解法の考察(特性方程式の観点から)

解法のまとめ・・一覧表

1階と2階の定数係数の線型常微分方程式を例にして、5つのタイプの微分方程式をまとめてみます。

微分方程式 使用する微分公式
① \(y^{\prime}=0\)  \(f(x)=C\) 定数関数の微分
② \(y^{\prime\prime}=0\) \(f(x)=bx+C\) 単項式の微分
③ \(y^{\prime\prime}-b=0\) \(f(x)=\frac{b}{2}x^2+Ax+C\) 単項式の微分
④ \(y^{\prime\prime}+b^2y=0\) \(f(x)=A\cos (bx+C)\) 三角関数と合成関数の微分
⑤ \(y^{\prime\prime}+by^{\prime}+cy=0\) 1.特性根\(\alpha,\beta\)が重解でない:
\(f(x)=Ae^{\alpha x}+Be^{\beta x}\)
2.特性根\(\alpha\)が重解である:
\(f(x)=e^{\alpha x}(Ax+B)\)
これがこのページで特に扱った内容です。特性根が重解で無い場合は、実数解と複素数解の場合をまとめています。

特性根」とは、「特性方程式の解」の事です。

解法の考察・・特性方程式の観点から見ると?

上記の5つの種類の解は、5番目のタイプで「特性方程式の解」が重解である場合と複素数解である場合を含めると、③タイプを除いて「数学的にまとめる」事も可能なのです。

どういう事かと言いますと、まず④の三角関数タイプは、じつは特性方程式の観点から言うと「特性根として複素数解」を持つ場合なのです。その場合、e の指数関数は複素数と三角関数の関係により表され、任意定数(複素数も可)を上手に選ぶと「実数範囲の三角関数」を解として得る事ができます。特性方程式が複素数解を持つ場合には、解を複素数でも実数でも表せる事を上記で述べましたが、その事です。

①②の、定数関数と1次関数が解のパターンは、ちょっと意外かもしれませんが、特性方程式の観点からは、じつは「特性根が重解」パターンの仲間なのです。(上記では最も面倒だったパターンですね。)ただ、「2階微分=0」のような場合には特性方程式の重解は 0 ですので、指数関数部分は1となって見えなくなるので、定数の場合も含めて1次関数の部分だけが残ります。そのような見方も数学的には可能という事です。

上の表の中でじつは仲間外れなのは③の2次関数タイプで、定数係数の常微分方程式の中で、これだけが「非斉次」タイプで、残り①②④⑤は「斉次」タイプなのです。このページで扱った内容(表の中では⑤)は、全て「斉次」のものです。そのために、③の解だけは⑤の枠組みとは少し違ったものになっている、という見方もできるわけです。(※ただし、非斉次であっても一工夫して斉次の形に変形をしたうえで解く事は可能です。)

 

参考文献・リンク


微分方程式の基礎 (数理科学ライブラリー)


講座 数学の考え方〈7〉常微分方程式論


常微分方程式 (理工系の数学入門コース)

最も簡単な微分方程式5つ

大学の微積分学の入門として、簡単に解ける微分方程式について説明します。

微分方程式の解き方の手短な説明

微分方程式とはその通り、微分(および高階微分)を含んだ方程式ですが、要はその方程式を満たす「関数」を探す事が、その方程式を解くという事です。このページで紹介する微分方程式は、パズル感覚で色々組み合わせるだけで解けます。

声優担当:ステ♪様 http://sute.tabigeinin.com/

つまり、微分の公式を微分方程式に当てはめてみて、確かに解になっていればよいわけです。微分の公式と言ってもたくさんあるわけですが、今回用いるのは6つで、三角関数に関しては正弦か余弦のどちらか片方あれば足りるので、実質「5つ」だけの公式を用います。それらは次の表にまとめてあります。これらを単独で使うか上手に組み合わせるかして、微分方程式を解いていけるのです。

合成関数も利用しながら、初等関数の「パーツ」を組み合わせ、具体的な微分方程式に当てはめてみます。このタイプの解法は、高校で教わる微分の知識を直接使えます。「2回微分すると〇○になる関数はどれですか」といった事について、公式の中から探して、組み合わせればよいのです。

使う公式は、この場で表にして記しておきましょう。

対象の関数微分公式微分方程式の解法での役割
①定数(定数関数)\({\large \frac{d}{dx}c=0}\)微分すると0になる
②単項式「x の a 乗」\({\large \frac{d}{dx}x^a=ax^{a-1}}\)微分するとx の指数が1下がる
③自然対数の底 e の指数関数\({\large \frac{d}{dx}e^x=e^x}\)微分すると元の関数に戻る
④-1 三角関数(正弦関数)\({\large \frac{d}{dx}\sin x=\cos x}\)微分2回で元の関数の符号±入替
④-2 三角関数(余弦関数)\({\large \frac{d}{dx}\cos x=-\sin x}\)微分2回で元の関数の符号±入替
⑤合成関数の微分\({\large \frac{df(y)}{dx}=\frac{df(y)}{dy}\frac{dy(x)}{dx}}\)微分方程式内の定数倍などを調整
基本は、通常の微分の公式を用いて、当てはまる関数を見つけるだけです。微分方程式特有の考え方としては、「全ての」解を表現するという意味では「微分すると0になって消える定数項」などがオマケとして解にくっついてくる事です。(最初のうちはあまりこだわらなくていいと思います。)
微分方程式論の中の位置付け

このページでは「具体的な微分公式を探して当てはめてみる」という見方をしますが、このやり方は、じつは「微分の逆演算つまり積分を行い『微分記号を消去する』事で、解となる関数を見つける」・・という見方と同等なのです。そのため、微分方程式論の枠組みの中では「求積法」と呼ばれます。

少し発展事項
~微分方程式の「解」は、基本的に1つではなく「複数」ある~

具体的な関数を微分方程式に当てはめてみて、それで確かに式が成り立てば、その関数は間違いなく「解」の1つです。他方で、数学的に少し面倒で時に厳密な論証が必要なのは、
「それで『全ての解』を表現できているか??」という点にあります。その事も念頭に置きながら、具体例を通して少しずつ理解していくと学習しやすいかと思います。

では具体的な微分方程式を見てみましょう。とても簡単に、解けます。

①一番簡単な微分方程式「1階微分=0」f ‘(x)=0

最初に見るのは、「1階微分(通常微分)がゼロになる」という微分方程式です。これは、即刻解けます。しかも、運動方程式において物理的な意味も持ちます。

①一番簡単なタイプの微分方程式

$$ \frac{d}{dx}f(x)=0$$ 「微分すると0になる」関数はなんだろう、という方程式です。 $$解: 定数関数\hspace{5pt}f(x)=C \hspace{10pt}(C:定数)$$

当てはまるような公式を探してみますと、

対象の関数微分公式微分方程式の解法での役割
①定数(定数関数)\({\large \frac{d}{dx}c=0}\)微分すると0になる

と、いうものがありますね。
定数は微分するとゼロですから、そのまま当てはまります。これで「解けた」という事になります。

1つだけ注意していただきたいのは、0や1や2などの「特定の定数」だけではなく、定数であればどんなものでもよいという事です。その事を表現するために、「任意の定数」という表現を用います。この表現は、他のタイプの微分方程式の解でも用います。
【f(0) = 1 などの具体的な x の値での関数値が条件としてあるなら、解は f(x) = 1 というただ1つの関数に定まります。そのような条件は「初期値条件」と呼ばれ、微分方程式論全体で重要です。】

物理の力学での運動方程式ではこのタイプの微分方程式は慣性の法則のうち等速運動である事を表現します。

② 2階微分=ゼロ f ”(x)=0 1次関数 

2階微分が0になるという微分方程式も、簡単に解けるタイプのものです。高階の微分が入っていると一見難しく見えるかもしれませんが、これもじつは非常に簡単なのです。
物理的には、力が働いていない物体は等速「直線」運動する事に関わります。

「2階微分=0」という微分方程式

$$ \frac{d^2}{dx^2}f(x)=0$$ 「『2回』微分すると0になる」関数はなんだろう?という方程式です。 $$解: 1次関数\hspace{5pt}f(x)=bx+c\hspace{10pt}(b,c:定数)$$

2階微分が入っているので、一見、どうすればよいのか迷うかもしれません。

しかし、要するに2回微分すると0ですから・・
1回だけの微分は『定数』」であるはず??・・という事に気付くと、解けます。
つまり「1回の微分で定数になる関数(もう1回微分で0)」→ 1次関数が解 というわけです。
使う公式としては、「1階微分=0」の時と同じ公式の組み合わせという事に、なります。

対象の関数微分公式微分方程式の解法での役割
①定数(定数関数)\({\large \frac{d}{dx}c=0}\)微分すると0になる
②単項式「x の a 乗」\({\large \frac{d}{dx}x^a=ax^{a-1}}\)
\({\large \frac{d}{dx}x=1\cdot x^{0}=1}\)
微分するとx の指数が1下がる
「x の 0 乗」は定数

実際に、解となるはずである1次関数を「2回」微分してみましょう。

  1. 微分1回目:\(\frac{d}{dx}(bx+c)=b\)(定数)
  2. 微分2回目:\(\frac{d}{dx}b=0\)(ゼロ)→ OK
  3. 合わせると:\(\frac{d^2}{dx^2}(bx+c)=0\hspace{10pt}\rightarrow \frac{d^2}{dx^2}f(x)=0\hspace{5pt}の解\)

というわけで、確かに1次関数 bx + c は、2階微分=0という微分方程式の解です。
尚、定数関数も何回微分してもゼロになるので解ですが、これは1次関数で b = 0 の場合と見なせるので、任意定数 b の値に制限を設けなければ1次関数に含める事ができます。

この解の導出過程では、「1階微分=(ゼロ以外の)定数」というタイプの微分方程式の解も、合わせて見つけている事になります。また、同じ論法を使うと、3階微分=0、4階微分=0といった微分方程式の解も同様に考える事が可能というわけです。
$$\frac{d^3}{dx^3}f(x)=0 の解は「2次関数」$$

$$\frac{d^n}{dx^n}f(x)=0 の解は「(n-1)次関数」$$といった感じになるのです。

それでは次に、物理的には放物運動(2次関数のグラフの形)を表す微分方程式を見てみましょう。これについては高校の物理でも多分扱われていると思いますが、微分方程式の観点から考察してみましょう。

③ \(y^{\prime\prime}-b=0\)・・2次関数

「2階微分が定数に等しい」という微分方程式です。(もちろん\(y^{\prime\prime}=b\)と書いても同じです。b = 0 の場合は2階微分=0のタイプですから、b≠0 と考えてください。)
物理的には運動方程式において地上で物を投げた時の運動としての意味があり、放物軌道の運動を表します。

数学的な解法 ■ 物理的な意味・・地上での水平投射の重力による運動(放物運動)

解法:1回微分すると1次関数→2回微分すると定数 と考えよう

「2階微分=もとの関数」という微分方程式

$$ \frac{d^2}{dx^2}f(x)-b=0$$ 「『2回』微分すると定数になる」関数はなんだろう?という方程式です。 $$解: 2次関数\hspace{5pt}f(x)=\frac{b}{2}x^2+Ax+C\hspace{10pt}(A,C:定数、b は微分方程式内で使われてる係数)$$

この3つ目のタイプの微分方程式の場合、2回微分すると定数・・という事ですから、「1回微分すると1次関数」を見つければよいのです。

対象の関数微分公式微分方程式の解法での役割
①定数(定数関数)\({\large \frac{d}{dx}c=0}\)微分すると0になる
②単項式「x の a 乗」\({\large \frac{d}{dx}x^a=ax^{a-1}}\)
\({\large \frac{d}{dx}x=1\cdot x^{0}=1}\) \({\large \frac{d}{dx}x^2=2x}\)
微分するとx の指数が1下がる
「x の 0 乗」は定数

単項式の微分公式を見ると、1回微分するごとに指数(xの「〇乗」の〇)が1下がりますから、2次関数を1回微分すると1次関数になりますね。

ですから、解となる関数は「2次関数」です。
最後に定数 b が残ってほしいのと、係数調整のために、
\(\frac{b}{2}x^2+Ax+C\)のような形のものを選びます。2次関数の中の Ax + C の部分は、2回の微分操作の過程で0になって消えてしまうので、A と C は任意定数という形になります。
2次式を微分するために\(\frac{1}{2}\)というオマケがくっつく事に注意する必要がある事を除けば、これも難しくないのではないと思います。

実際に微分して確かめてみよう

実際に微分をしてみて、確かめてみましょう。

  1. 微分1回目:
    \(\frac{d}{dx}\left(\frac{b}{2}x^2+Ax+C\right)=2\cdot \frac{b}{2}x+A=bx+A\) (1次関数)
  2. 微分2回目:
    \(\frac{d}{dx}(bx+A)=b\)(定数で、しかも b に一致)→ OK
  3. 合わせると:
    \(\frac{d^2}{dx^2}\left(\frac{b}{2}x^2+Ax+C\right)=b\hspace{10pt}\rightarrow 2次関数\frac{b}{2}x^2+Ax+C は、確かに\frac{d^2}{dx^2}f(x)-b=0\hspace{5pt}の解\)

物理的には、運動方程式においては「地上で物を投げた時」の運動を表します。座標同士の関係を表す軌道が2次関数の関係式になるので、放物線を描きます。

物理的意味:地上での水平投射 重力だけが働く場合は放物運動

ここでは、運動方程式で働く力が「重力」であるとします。これは、地球上では物体の質量が定まれば一意的に決まり、その大きさは mg (≒9.8m) である事が知られています。この時、水平に物を投げる(「投射する」)と、軌道は2次関数のグラフである放物線になる事を見ましょう。

■ ①考え方・・水平方向と垂直方向に分ける ■ ②設定をして、2方向の2本の運動方程式を作ろう
■ ③運動方程式の解から軌道の関係式を作ると、2次関数つまり「放物線」が得られる

① 考え方・・水平方向と垂直方向に力の働き方を分ける

水平に物を投げる(投射する)運動を考えます。投げた瞬間には力が働いているかもしれませんが、一旦手などを離れたら、水平方向には力は働かず、地面に向かう方向にのみ重力が働くと考えて数式を組み合わせるのです。

  • 地面に対して水平(平行)な向き:力は働かない
      → 等速で運動(射影して見れば直線運動でもある)
  • 地面に対して垂直(直角)な向き:重力 mg [N] が地面に向かう向きで働く
      → どういう挙動をするか?(運動方程式を立てて解くと「時間の2次関数」になる)

上記の「2階微分=0」の微分方程式の物理的意味の項目で、平面や空間の運動で運動方程式を考える場合は、力を分解して「座標成分ごとに運動方程式を立てる」という事を述べました。ここでも、同じ考え方をします。

この場合は、3次元で考えてもよいのですが、最初に物を放り投げた方向に向かって上手に1つの座標軸を合わせたと考えると、すなわち平面で考えても全く同じ運動を表せます。

空気抵抗力などがなく、ひたすら地面に向かって同じ大きさの重力 -mg が働くと仮定します。こういうボールみたいなものを投げる時、力学的には、「『回転』もないものとする」という仮定も、一応重要です。

(※働く力が重力だけであると想定するので、「水平方向には力は働かない」=「水平方向だけで見れば等速直線運動」という事が保障されるので、そのように考えてよいわけです。「直線」という事については、地面の真上から見れば「直線」になっているという事です。このような見方を「射影(しゃえい)」と言います。)

② 設定をして、2方向の2本の運動方程式を作る

このようにして考える時、どちら向きがプラスでどちら向きがマイナスかも含めて、座標軸の向きの設定を行ってから運動方程式を立てます。今、運動は平面で考える事にして、座標軸は x 軸と y 軸であるとします。

座標軸の設定
  • x 軸:地面に対し水平方向、物体が投射される平面内、進行方向が+プラス
  • y軸:地面に対して垂直、地面から空の向きが+プラス、空から地面への向きが-マイナス

そして、2本の運動方程式を立てましょう。※尚、この場合に仮に3本目を立てたとしても、その向きには働く力はゼロ、位置もゼロから動かないので 0 = 0 という式ができるだけです。

  1. x 軸成分: \(0=m\frac{d^2x(t)}{dt^2}\) → 「2階微分=0」なので、解は t の1次関数ですね
  2. y軸成分:\(-mg=m\frac{d^2y(t)}{dt^2}\hspace{5pt}\Leftrightarrow \hspace{5pt}-g=\frac{d^2y(t)}{dt^2} \) → 「2階微分=定数」の微分方程式で、
    解は t の2次関数というわけです。
    この場合、質量 m は上手い具合に両辺に入っているので、両辺で割って消せます。

y 軸成分の運動方程式で「力」の部分を – mg としているのは、空 → 地面方向は「マイナス」向きと設定したためです。地面方向に向かう「重力」の符号もマイナスにするのです。
(※では、もし「地面向き方向をプラスに設定したら + mg にするのか?」と言うと、その通りです。その場合は \(mg=m\frac{d^2y(t)}{dt^2} \)になります。符号が変わっても、解が2次関数という事自体は変わりません。)

② 運動方程式の解から軌道の関係式を作ると、2次関数つまり「放物線」が得られる

という事は、$$x(t)=bt+c,\hspace{5pt}y(t)=-\frac{g}{2}t^2+Bt+C $$という形の2式が、微分方程式である運動方程式の解として、出てくるわけです。
x(t) のほうが1次式ですから、これを t = ・・の形にして y(t) のほうの t に代入すると、$$y(x) = -Ax^2+Px+Q \hspace{5pt}(A > 0)$$ という、x に関する2次関数の形になる事が分かります。

これで、軌道が確かに「放物線」である事が表現されたわけですが、座標軸の正負の向きの設定などから、上記の各定数について b > 0 、A > 0 となるので、最後の結果で \(-Ax^2\)(例えば \(– 2x^2\))という形が出てくるという事は、きちんと「下に落ちていく」という事も表しています。
このような時に結果を考察すると何だか変な事になる場合は、符号の設定などを間違えているかの可能性があるわけです。

さて次は、三角関数が解になるタイプの微分方程式です。じつは、これは物理の力学で言うと「ばねの運動」なので、空間でも平面でもなく、「一次元(直線運動)」と考えてよいパターンです。ですから運動方程式は1つだけ作ればよいので、意外と考察しやすいかもしれません。

④ \(y^{\prime\prime}+b^2y=0\)・・調和振動(単振動)

このタイプの微分方程式は、2階微分と「元の関数」が入っていて、定数倍の関係にあるというものです。三角関数が関係し、物理的には抵抗力などが無い場合の「ばねの運動」(調和振動、単振動とも言います)を表します。
※\(b^2\) という「2乗」の形は、これ自体は「正の数」である事を言っています。
\(y^{\prime\prime}=-b^2y\) つまり「2階微分」=「負の定数」×「もとの関数」という事です。

数学的解法 ■ 物理的な意味:ばねの運動は三角関数(調和振動、単振動)

数学的解法:まず「2回微分すると元の関数の定数倍」になる関数は?

「2階微分=もとの関数の正の定数倍」という微分方程式

$$ \frac{d^2}{dx^2}f(x)+b^2f(x)=0$$ 「『2回』微分すると『もとの関数の負の定数倍』になる」関数はなんだろう?という方程式です。 $$解: 三角関数\hspace{5pt}f(x)=A\cos (bx+C)\hspace{10pt}(A,C:定数、b は微分方程式内で使われてる係数)$$

「2回微分するともとの関数の『マイナスの定数倍』」というものは、微分公式にあるでしょうか?三角関数は、これに似ています。実際、これをパーツとして使えるのです。この時、正弦でも余弦でも同じ事なので、ここでは余弦 cos x を、使います。

対象の関数微分公式微分方程式の解法での役割
④-1 三角関数(正弦関数)\({\large \frac{d}{dx}\sin x=\cos x}\)微分2回で元の関数の符号±入替
④-2 三角関数(余弦関数)\({\large \frac{d}{dx}\cos x=-\sin x}\)微分2回で元の関数の符号±入替
⑤合成関数の微分\({\large \frac{df(y)}{dx}=\frac{df(y)}{dy}\frac{dy(x)}{dx}}\)微分方程式内の定数倍などを調整

三角関数を2回微分すると、もとの関数の「マイナス倍」になります。
他方、解きたい微分方程式は、「『マイナスの定数』倍」となっています。
すると、符号はよいとして、微分した時だけ「定数倍」を新たに出すにはどうすればいいでしょう?

そのためには、じつは合成関数の微分公式を考えればよいのです。この考え方は、このページで紹介するタイプ以外の微分方程式でも有効な手段です。

例えば cos(2x) の微分を1階と2階について見ますと、$$1階微分:\frac{d}{dx}\cos (2x)=(2x)^{\prime}(-\sin (2x))=-2\sin (2x)$$ $$2階微分:\frac{d^2}{dx^2}\cos (2x)=\frac{d}{dx}(-2\sin (2x))=-4\cos (2x)$$ になります。y = 2x , cos(2x) = cos y と考える事ができるので、合成関数の微分公式が適用できるのです。係数として「2」というのが掛けられていますが、それが合成関数の微分由来で出てくる係数というわけです。

・・すると、この cos (2x) という関数は、2回微分するともとの関数 cos (2x) の – 4 倍になっているので、 「2回微分するともとの関数の『マイナスの定数倍』」 の条件を満たす関数の仲間である事が分かります。

という事は、定数倍として\(-b^2\)がほしいのであれば、
cos (bx) という関数を考えれば、2回微分すると合成関数の微分公式が2回適用されるので、\(-b^2\cos (bx)\)が得られます。これが解という事になりそうですね!

任意定数については、まず A を任意定数として、A cos(bx) という形でも解として成立するのです。また、別の任意定数 C を用いて Acos(bx+C) という形でも、じつはOKなのです。これは、合成関数の微分を行う時に、bx + C を x で微分すると b は生き残りますが C はゼロになって消えるためです。

実際に微分して確かめてみよう!

つまり、総合すると Acos (bx+C) という関数が、解になるという事です。正弦で考えても同様の形になります。実際に微分してみて、確かめてみましょう。

  1. 微分1回目:\(\frac{d}{dx}A\cos (bx+C)=-bA\sin(bx+C)\)(マイナスの正弦)
  2. 微分2回目:\(\frac{d}{dx}\{-bA\sin(bx+C)\}=-b^2A\cos (bx+C)\)
    (もとの関数の「マイナスbの2乗」倍)→ OK
  3. 合わせると:
    \(\frac{d^2}{dx^2}A\cos (bx+C)=-b^2A\cos (bx+C)\hspace{5pt}\Leftrightarrow\hspace{5pt}\frac{d^2}{dx^2}A\cos (bx+C)+b^2A\cos (bx+C)=0\)
    \(\rightarrow A\cos (bx+C)は、確かに\frac{d^2}{dx^2}f(x)+b^2f(x)=0\hspace{5pt}の解\)

物理的には、運動方程式を考えると、このタイプの微分方程式は「ばねの運動」を表します。ばねというと、いかにも人工的な響きがありますが、別に工学だけで用いるというものでもありません。例えば、ミクロの領域での分子の振動などを、ばねと同じタイプの振動(調和振動)と考えるモデルをもとにして考察する事が、量子力学や量子化学でもなされるのです。

物理的意味:ばねの運動は三角関数(調和振動、単振動)

運動方程式で、ばねにつながれた物体の運動を考えると、上記の「2階微分=負の定数×もとの関数」という微分方程式になります。ばねは、抵抗力が働かないなら伸びたり縮んだりを繰り返しますから、周期関数である三角関数が解であるという事はその事実と調和しているというわけです。

■ ①まずは設定をしよう・・一次元の運動として扱えます ■ ②解いてみて完成・・結果は三角関数です
① まずは設定をしよう

抵抗力がない状態で、ばねの伸び縮みの力だけで、ばねにつながれた物体が(振動)運動しているとします。この場合は、1次元の直線運動と考えてよいので、運動方程式を3つ・2つ立てる必要はなく、1つでよいのです。ですから、式さえ立てれば、結構分かりやすいと思います。

ばねの力の大きさは、ばねの「伸び」または「縮み」に比例します。(「フックの法則」と言います。)
これはつまり、ばねの平衡点(伸び縮みのない自然な状態のばねの先端の位置)から見て「位置座標」に比例するという力であるわけです。時間を変数とした場合、これは「もとの関数 x(t) 」に比例する力、というわけです。
比例するという事は比例定数もあって、「kx」という形の力が働くというわけです。この k を「ばね定数」という、そのまんまの名称で呼びます。(※物としてバネが対象ではなく、分子の振動などを調和振動モデルとして考える場合などは、「力の定数」という呼び方もします。)

ただ、プラスマイナスの符号にだけは注意しましょう。まず、ばね定数 k は正の値であるとします。次にばねの平衡点を原点 x = 0 として、座標の正負の向きを次のように設定します。

  • 原点から見て、ばねが伸びている方向:プラス方向
  • 原点から見て、ばねが伸びている方向:マイナス方向

この時、ばねによる力の向きを考えてみます。符号に注意してください。

  • ばねが伸びている時・・つまり位置座標が正の値の時:
    力は原点向き つまり負の方向(例えば x = 2 だったら、F = -2k )
  • ばねが縮んでいる時・・つまり位置座標が負の値の時:
    力は原点向き つまり正の方向(例えば x = -2 だったら、F = +2k )

これをまとめますと、「ばねの力は位置座標と常に逆の符号」という事です。 $$ばねの力:F = -kx(t)\hspace{10pt}(x(t):位置座標、ばね定数 k>0)$$ そうしますと運動方程式は次のようになるわけです。 $$-kx(t)=m\frac{d^2x(t)}{dt^2}\hspace{10pt}\Leftrightarrow \hspace{10pt}\frac{d^2x(t)}{dt^2}+\frac{k}{m}x(t)=0$$

物体の運動の様子を調べるにはこれを解けばよいわけですが、もう分かっているわけです!

② 解いてみて完成

ばねにつながれた物体に関する運動方程式\(\frac{d^2x(t)}{dt^2}+\frac{k}{m}x(t)=0\) は、
形としては「2階微分=負の定数×もとの関数」ですから、解は三角関数 Acos(bt+C) の形ですね。
(一応、\(\frac{k}{m}>0\)という符号にも注意してください。)

もう少し物理的に見通しをよくするために、
\(\frac{k}{m}=\omega^2\)(\(\omega\):「オメガ」)という置き換えが、よく行われます。
そのように置き換えると、運動方程式は\(\frac{d^2x(t)}{dt^2}+\omega^2 x(t)=0\) となりますから、
解は \(A\cos (\omega t+C)\) という形で書けるわけです。

このオメガ \(\omega\) という記号は、ばねの調和振動に限らず、回転運動などの周期的な運動における角速度角振動数角周波数(1秒間に何ラジアン回るか)を表します。ばねの場合は「振動」ですので、角振動数と言う場合が多いです。いずれにしても、ばねの運動を周期運動と見た場合に、角度の部分(「位相」)がどのように変化するかを表す値というわけです。

ここでは \(\frac{k}{m}=\omega^2\) と、おいただけでしたから、そのような角振動数は、物体の質量とばねの性質(ばね定数の大きさの違い)によって決まるという事も分かります。

さて、使用する実質5つの公式のうち、まだ使っていないのが 自然対数の底 e の指数関数の微分公式です。最後に紹介するタイプの微分方程式は、この e の指数関数の微分公式を用いて解けます。

⑤ \(y^{\prime\prime}+by^{\prime}+x=0\)・・粘性抵抗ありのばねの運動

5つ目の微分方程式として、\(y^{\prime\prime}+by^{\prime}+x=0\) で「『特性方程式』が異なる2つの実数解を持つ場合」を説明いたします。この、後のほうにくっついてる妙な条件は別になくてもきちんと微分方程式は解けるのですが(特性方程式を使った一般の場合の解法)、簡単なのがこの条件の場合ですので、この場合を述べます。
物理的には、粘性の強い流体の中でのばねの運動で、振動する事なく少し動いて止まってしまう・・という運動を表します。

数学的解法 ■ 物理的意味:粘性抵抗が「強い」場合のばねの挙動

数学的解法:e の指数関数の微分を使おう

これの説明は他のものと比べて少し長いですが、「公式を上手に当てはめれば解ける」という事には変わりありません。

\(y^{\prime\prime}+by^{\prime}+cy=0\)という形の微分方程式

$$ \frac{d^2}{dx^2}f(x)+b\frac{d}{dx}f(x)+cf(x)=0\hspace{10pt}x^2+bx+c=0が異なる「2つの『実数解』」を持つ場合$$ このような形の方程式で、何やら変な条件がくっついている場合の微分方程式です。 $$解: e の指数関数\hspace{5pt}f(x)=Ae^{\alpha x}+Be^{\beta x}$$ $$(A,B:定数、\alpha, \beta は x^2+bx+c=0 の解(異なる2つの実数解)$$

このタイプの微分方程式を解くには、e の指数関数の性質と、1つ前の微分方程式の例でも用いた
「合成関数の微分公式で『定数調節』」する手法を上手に組み合わせればよいのです。

対象の関数微分公式微分方程式の解法での役割
③自然対数の底 e の指数関数\({\large \frac{d}{dx}e^x=e^x}\)微分すると元の関数に戻る
⑤合成関数の微分\({\large \frac{df(y)}{dx}=\frac{df(y)}{dy}\frac{dy(x)}{dx}}\)微分方程式内の定数倍などを調整

考え方を簡単に述べましょう。三角関数で cos (bx) 等を考えた時は、
1階微分で b倍、2階微分で\(b^2\)倍という定数倍調整に利用できました。
同様に、指数関数についても、定数 \(\alpha\) を用いて \(e^{\alpha x}\) といった形の関数を考えると定数倍調整に使えます。

この \(e^{\alpha x}\) という関数を微分すると、

  • 微分してないもとの関数:\(e^{\alpha x}\)
  • 微分1回目:\(\frac{d}{dx}e^{\alpha x}=\alpha e^{\alpha x}\)
  • 微分2回目:\(\frac{d^2}{dx^2}e^{\alpha x}=\alpha^2 e^{\alpha x}\)

ポイントは、「これらを加え合わせてみる」という事です。
e の指数関数は微分しても元の関数になるだけという際立った性質があるため、何回微分したとしても\(e^{\alpha x}\) が必ず含まれる事に注意して、足し算してみましょう。すると・・ $$\frac{d^2}{dx^2}e^{\alpha x}+\frac{d}{dx}e^{\alpha x}+e^{\alpha x} =\alpha^2 e^{\alpha x}+\alpha e^{\alpha x}+e^{\alpha x} =e^{\alpha x}(\alpha^2+\alpha +1)$$ もし「これがゼロ」であるなら、指数関数はゼロになりませんので、
後ろにくっついている \(\alpha^2+\alpha +1\) がゼロという事です。
少し、2次関数、2次方程式との関係がありそうですね?

では今度は、定数倍も考えて、
\(\frac{d^2}{dx^2}e^{\alpha x}+b\frac{d}{dx}e^{\alpha x}+ce^{\alpha x}\) を考えてみましょうか。 $$\frac{d^2}{dx^2}e^{\alpha x}+b\frac{d}{dx}e^{\alpha x}+ce^{\alpha x} =\alpha^2 e^{\alpha x}+b\alpha e^{\alpha x}+ce^{\alpha x} =e^{\alpha x}(\alpha^2+b\alpha +c)$$ これがゼロになるには、先ほどと同じ論法で、
\(\alpha^2+b\alpha +c=0\)となる \(\alpha\) であればよい、という事です。

\(\alpha\) が \(\alpha^2+b\alpha +c=0\) となる事を、 全く同じ意味で、次のようにも言い換えられます。 $$「\alpha が x^2+bx +c=0 の解である」$$

そしてそのような場合、じつはまさしく上の微分方程式の形:
\(\frac{d^2}{dx^2}f(x)+b\frac{d}{dx}f(x)+cf(x)=0\)を満たしています。
ですから、まず次の事が言えます。

POINT

$$\alpha が x^2+bx +c=0 の解である時、e^{\alpha x}は$$ $$\frac{d^2}{dx^2}f(x)+b\frac{d}{dx}f(x)+cf(x)=0の解の1つ$$ また、任意定数を A として、\(Ae^{\alpha x}\) も解になります。
■ ここで解法のために考えている2次方程式を「特性方程式」と言います。n階の定数係数の線型の微分方程式に対する、同じ係数を用いたn次方程式を一般的に特性方程式と呼びます。

さて、\(\alpha が x^2+bx +c=0\) の「実数解」である時で、重解では無い時
同じく実数解となる \(\beta\) が存在するわけで、これを用いた
\(e^{\beta x}\) も、同じく\(\frac{d^2}{dx^2}f(x)+b\frac{d}{dx}f(x)+cf(x)=0\)の解なのです。
微分の基本的な性質として\(\frac{d}{dx}(bf(x)+cg(x))=b\frac{df(x)}{dx}+c\frac{dg(x)}{dx}\) というもの(線型性)があった事に注意しますと、
「特性方程式」が2つの異なる実数解を持つ時の上記の微分方程式の解は、任意定数も考慮すると次のように表せるわけです:

解:「特性方程式」が2つの異なる実数解を持つ場合 $$\alpha と\betaを x^2+bx +c=0 の異なる2つの解、A と B を任意定数として、$$ $$\frac{d^2}{dx^2}f(x)+b\frac{d}{dx}f(x)+cf(x)=0の解は$$ $$Ae^{\alpha x}+Be^{\beta x} で表されます。$$ ■ 特性方程式が重解を持つ場合と、実数解をもたない場合にも微分方程式を解く事はできますが、これは別の記事で詳しく述べましょう。指数関数の微分の性質が重要である点は同じです。

物理でも、運動方程式がこのタイプの微分方程式になる事があります。それについて、見てみましょう。

物理的意味:粘性抵抗が「強い」場合のばねの挙動

ばねにつながれた物体の運動を表す運動方程式には、位置座標(1次元・直線)の「2階微分」と、「もとの関数の定数(ばね定数)倍」という項が含まれています。粘性のある流体の中のばねの運動の場合、これに粘性抵抗力が加わり、
これは速度に比例する事が実験から分かっています。つまり、「1階微分」に比例する項が加わるという事です。
特性方程式が異なる2つ実数解を持つ場合は、粘性が結構強い場合になります。

設定をして運動方程式を解く ■ どういう運動かを考察してみよう 

設定をして運動方程式を解く

まず、座標の設定としては、抵抗力のないばね運動の時と同じで、一次元の運動と考えてよいのです。ばねの平衡点を原点として、伸びる方向をプラス方向、縮む方向をマイナスとします。

次に、力を整理しましょう。ばねの力と、粘性抵抗力の2つがあります。粘性抵抗力は、運動を妨げる方向に働きますので、マイナス符号をつけるのです。(この抵抗力の符号の考え方は、空気抵抗力や摩擦力に対しても同じです。)

この場合に働く2つの力
  1. ばねの力:\(-kx\) k:ばね定数(正の値)
  2. 粘性抵抗力:\(-\rho \frac{dx(t)}{dt}\) \(\rho\):てきとうな比例定数(正の値)

すると、運動方程式は次のようになります。 $$-kx-\rho \frac{dx(t)}{dt}=m\frac{d^2x(t)}{dt^2}$$ $$\Leftrightarrow \frac{d^2x(t)}{dt^2}+\frac{\rho}{m} \frac{dx(t)}{dt}+\frac{k}{m}x=0$$ $$\left(\Leftrightarrow \frac{d^2x(t)}{dt^2}+2\gamma \frac{dx(t)}{dt}+\omega^2x=0\hspace{10pt}\gamma=\frac{\rho}{2m},\omega^2=\frac{k}{m}\right)$$ 最後の形には別に変形しなくてもよいのですが、この形だと、解を出しやすいです。
いずれにしても、\(\frac{d^2}{dx^2}f(x)+b\frac{d}{dx}f(x)+cf(x)=0\) の形に確かになっています。

特性方程式が「異なる2つの実数解を持つ」という条件が満たされているとすると、上記の要領で解く事ができます。一応、特性方程式の解を出しておきましょう。(※2次方程式なので比較的容易に出せる事に注意してください。) $$特性方程式:X^2+2\gamma X+\omega^2X=0\Leftrightarrow (X+\gamma)^2-\gamma^2+\omega^2=0 $$ $$\Leftrightarrow (X+\gamma)^2=\gamma^2-\omega^2\Leftrightarrow X+\gamma=\pm \sqrt{\gamma^2-\omega^2}$$ $$\Leftrightarrow X=-\gamma \pm \sqrt{\gamma^2-\omega^2}$$ この2解(実数解という条件とします)を用いて、
微分方程式のほうの解は\(Ae^{(-\gamma +\sqrt{\gamma^2-\omega^2})t}+Be^{-\gamma -\sqrt{\gamma^2-\omega^2})t}\)
・・という事になります。

どういう運動かを考察してみよう

解が出ましたので「これで終わり」でもよいのですが、少し汚い形という事もあって、結局どういう運動になるのかが分かりにくいですね。そこで、もう少しだけ考察をしてみましょう。

特性方程式の2解の形をよく見ますと、 \(X=-\gamma \pm \sqrt{\gamma^2-\omega^2}\) は、これが実数解であるという前提で、
プラスマイナスのどちらの符号をとってもじつは「負の値」なのです。
平方根につくのがマイナス符号の場合は、最初の定数の取り方から X は必ず負の数ですし、
平方根につくのがプラス符号の場合でも \(\sqrt{\gamma^2-\omega^2}<\gamma\) ですから、これは負の数になります。
(※分かりにくい場合、2乗してみてください。)

という事は、特性方程式の2解を、「正の定数」\(p,\hspace{5pt}q\hspace{5pt}を用いて X=-p,-q\)と書くと、 微分方程式のほうの解は、 $$x(t)=Ae^{-pt}+Be^{-qt}$$ となります。これだと多少見やすくて、p と q を正の数だとしましたから、これらにマイナスがついたものが指数に来ているという事は、時間に関して「単調減少」の関数であり、しかも変数の値が大きくなるとゼロに近づいていく事が分かります。 また、普通の指数関数ですので、三角関数と違って「振動」もしません。

この考察をまとめると、例えば次のような事が言えるのです。

粘性抵抗が強い場合の考察
  1. 時間が経てば経つほど,位置座標の x(t) の値は小さくなり、
    じゅうぶんな時間経過後(t → ∞)は、原点x(t) = 0 (ばねの平衡点)に近づき、
    そこからほぼ動かなくなる。
  2. 位置座標 x(t) は通常の指数関数で表されているので、振動はしない。
    伸びた状態から始まるにしても縮んだ状態から始まるにしても、そこから平衡位置に戻って動かなくなり、運動が終了する。

特性方程式が2次方程式の場合、実数解を持つかは \(\sqrt{\gamma^2-\omega^2}\) の中身が正か負かで決まるわけですが、
\(\gamma =\frac{\rho}{2m}\) が粘性抵抗に由来する定数である事から、
粘性が強いほど特性方程式の解が実数解になりやすく、振動しない運動(過減衰)になりやすいという事です。
「では特性方程式が複素数解を持つ場合はどうなるのか?」と言いますと、結論は、
「振動しながら振幅が減衰し、時間が経つと原点(ばねの平衡点)に落ち着く」という運動になります。
ちなみに、特性方程式の解が重解の場合は、ぴったり合う事自体ほとんどないと考えられますが、減衰していく運動である事には変わりありません。

微積分学や物理の入門としては、まず「高校で教わった事を直接使える」ものについて、いくつか具体例を見ながら中に入っていけた事になります。同じように、まずは手持ちの知識を用いて入っていける部分から、少しずつ新規の知識も知っていくようにすると大学数学の内容に無理なく入っていけると思います。

このページで最も大事な事は、式や計算を暗記する事ではなくて、解き方や使われ方の概要をつかんでもらう事です。

参考文献・リンク


微分方程式の基礎 (数理科学ライブラリー)


講座 数学の考え方〈7〉常微分方程式論


常微分方程式 (理工系の数学入門コース)