最も簡単な微分方程式5つ

大学の微積分学の入門として、簡単に解ける微分方程式について説明します。

★この記事は大学数学の微積分学入門講座の1回目です。

微分方程式の解き方の手短な説明

微分方程式とはその通り、微分(および高階微分)を含んだ方程式ですが、要はその方程式を満たす「関数」を探す事が、その方程式を解くという事です。このページで紹介する微分方程式は、パズル感覚で色々組み合わせるだけで解けます。

声優担当:ステ♪様 http://sute.tabigeinin.com/

つまり、微分の公式を微分方程式に当てはめてみて、確かに解になっていればよいわけです。微分の公式と言ってもたくさんあるわけですが、今回用いるのは6つで、三角関数に関しては正弦か余弦のどちらか片方あれば足りるので、実質「5つ」だけの公式を用います。それらは次の表にまとめてあります。これらを単独で使うか上手に組み合わせるかして、微分方程式を解いていけるのです。

合成関数も利用しながら、初等関数の「パーツ」を組み合わせ、具体的な微分方程式に当てはめてみます。このタイプの解法は、高校で教わる微分の知識を直接使えます。「2回微分すると〇○になる関数はどれですか」といった事について、公式の中から探して、組み合わせればよいのです。

使う公式は、この場で表にして記しておきましょう。

対象の関数微分公式微分方程式の解法での役割
①定数(定数関数)\({\large \frac{d}{dx}c=0}\)微分すると0になる
②単項式「x の a 乗」\({\large \frac{d}{dx}x^a=ax^{a-1}}\)微分するとx の指数が1下がる
③自然対数の底 e の指数関数\({\large \frac{d}{dx}e^x=e^x}\)微分すると元の関数に戻る
④-1 三角関数(正弦関数)\({\large \frac{d}{dx}\sin x=\cos x}\)微分2回で元の関数の符号±入替
④-2 三角関数(余弦関数)\({\large \frac{d}{dx}\cos x=-\sin x}\)微分2回で元の関数の符号±入替
⑤合成関数の微分\({\large \frac{df(y)}{dx}=\frac{df(y)}{dy}\frac{dy(x)}{dx}}\)微分方程式内の定数倍などを調整
基本は、通常の微分の公式を用いて、当てはまる関数を見つけるだけです。微分方程式特有の考え方としては、「全ての」解を表現するという意味では「微分すると0になって消える定数項」などがオマケとして解にくっついてくる事です。(最初のうちはあまりこだわらなくていいと思います。)
微分方程式論の中の位置付け

このページでは「具体的な微分公式を探して当てはめてみる」という見方をしますが、このやり方は、じつは「微分の逆演算つまり積分を行い『微分記号を消去する』事で、解となる関数を見つける」・・という見方と同等なのです。そのため、微分方程式論の枠組みの中では「求積法」と呼ばれます。

少し発展事項
~微分方程式の「解」は、基本的に1つではなく「複数」ある~

具体的な関数を微分方程式に当てはめてみて、それで確かに式が成り立てば、その関数は間違いなく「解」の1つです。他方で、数学的に少し面倒で時に厳密な論証が必要なのは、
「それで『全ての解』を表現できているか??」という点にあります。その事も念頭に置きながら、具体例を通して少しずつ理解していくと学習しやすいかと思います。

では、具体的な微分方程式を見てみましょう。とても簡単に、解けます。

① 一番簡単な微分方程式!「1階微分=0」f ‘(x)=0

最初に見るのは、「1階微分(通常微分)がゼロになる」という微分方程式です。これは、即刻解けます。しかも、運動方程式において物理的な意味も持ちます。

数学的な解法 ■ 物理的な意味・・慣性の法則の表現その1

解法:定数関数の微分をあてはめる

①一番簡単なタイプの微分方程式

$$ \frac{d}{dx}f(x)=0$$ 「微分すると0になる」関数はなんだろう、という方程式です。 $$解: 定数関数\hspace{5pt}f(x)=C \hspace{10pt}(C:定数)$$

当てはまるような公式を探してみますと、

対象の関数微分公式微分方程式の解法での役割
①定数(定数関数)\({\large \frac{d}{dx}c=0}\)微分すると0になる

と、いうものがありますね。
定数は微分するとゼロですから、そのまま当てはまります。これで「解けた」という事になります!

1つだけ注意していただきたいのは、0や1や2などの「特定の定数」だけではなく、定数であればどんなものでもよいという事です。その事を表現するために、「任意の定数」という表現を用います。この表現は、他のタイプの微分方程式の解でも用います。
【f(0) = 1 などの具体的な x の値での関数値が条件としてあるなら、解は f(x) = 1 というただ1つの関数に定まります。そのような条件は「初期値条件」と呼ばれ、時に面倒な問題ですが、微分方程式論全体で重要です。】

ところで、簡単に解けたのはよいですが、「簡単すぎて役に立ちそうもない」・・と思われるかも、しれません。そこで、この微分方程式が、物理の力学での運動方程式ではどのような意味を持つかを見てみましょう。

物理的な意味:慣性の法則の表現その1

結論を先に言いますと、運動方程式で力がゼロ(正確にはゼロベクトル)である時、「加速度がゼロ」という事を表現するのが、\(\frac{d}{dx}f(x)=0\) の種類の微分方程式です。

数学と物理の教科書などでは、関数や変数に用いる記号が(見かけ上)異なる場合がよくあります。そこで、ここで考えている微分方程式も、変数や関数を物理で使う表現に変えてみましょう。

  • 変数 → 時間 t ・・「秒」を単位とします。[s]
  • 関数 → 速さ v ・・「時間の関数」 v(t) として表します。単位は「メートル毎秒」。[m/s]
  • 導関数(微分) → 「加速度」 a ・・これも時間の関数 a(t) として考えますが、これが v(t) の導関数 \(\frac{dv(t)}{dt}\)であるという解釈が重要なのです。加速度の単位は「メートル毎秒毎秒」。[m/s2]
「1階微分=0」の物理的な意味

$$「物体に力が0」を表す運動方程式(1次元):\frac{d}{dt}v(t)=0$$ $$その解は、v(t)=C\hspace{5pt}[\mathrm{m/s}]\hspace{10pt}\rightarrow 一定の速さ、つまり「等速」を表す$$ $$\left[もとの形は F=ma=m\frac{dv(t)}{dt}\hspace{10pt}F=0 として 0=m\frac{dv(t)}{dt}\Leftrightarrow 0=\frac{dv(t)}{dt}\hspace{10pt}m:質量[kg](定数)\right]$$

一次元(直線)運動の場合の運動方程式に、力として0を代入すると、「速さが一定」という事が表現されます。最初に止まっていれば止まり続け、何かしらの速さで動いていれば、その速さで動き続けるという事です。そこに力が働くと、加速して速くなったり、逆に減速して遅くなって止まったりする、・・と、物理学では考えるわけです。

つまり、物体に力が働いていない場合、静止している場合も含めて(0[m/s])、「物体は等速運動」を続けるという事の数式で表現しています。
もう少し詳しく見ると、物体に力が働いていない場合、物体は静止し続けるか「等速『直線』運動」を続けます。(※後述しますが、物理学の力学ではそのような座標系が存在する事を「慣性の法則」と呼びます。)
「1階微分=0」という微分方程式として運動方程式を考えた場合、「等速」という事の表現はできたわけですが、「軌道の形」についてはまだ何も表していません。
「直線運動」であるかという事については、次に見る「2階微分=0」というタイプの微分方程式を調べてみましょう。

「力が働いていない物体は、静止するか、または一定の速度の運動を続ける」という事について、力が働いていないのに同じ速度で運動が続く???・・と、疑問に思われるかもしれません。これは、氷の上で物が滑り続けるような事を言っています。この場合、何か力が働いているゆえに物体が動いているというよりは、惰性のようなもので動いていると見るべきというわけです。

アドバイス

数学の微積分として \(\frac{d}{dx}f(x)=0\) と書かれると分かるけれども、\(\frac{d}{dt}v(t)=0\) ・・と書かれると、急に「難しく感じる」人も、いらっしゃるかもしれません。もちろん、そのように感じたとしても、それは単にそのような表記に「慣れていない」だけです。なぜなら、数学的な表現としては全く同等なものであるからです。
尚、物理で用いる t, v, a などの記号は、それぞれ次の語の頭文字をとっています。

  • time・・文字通り「時間」。タイムというのは、休憩タイム、読書タイムといったように、日本語にもなっていますね。
  • velocity・・(ヴェロシティー)これは「速度」を表しますが、ちょっと硬めの言葉で、聞きなれない人もいるかもしれません。じつは、よりなじみのある speed (スピード)という語が、物理用語としては「速さ」を表します。(※正確には「速度」はベクトルで、「速さ」はその大きさです。)
  • acceleration・・(アクセレレーション)これは、車のブレーキとアクセルの「アクセル」と同類の語です。速さを増していくアクセルですね。(※ただし、物理では減速についても「マイナス記号がついた『加速度』」として扱います。)

尚、F や f は force(フォース、「力」)、m は mass(「質量」以外に、通常の意味としては「塊」「集まり」等の意味)です。(※数学でよく使う f(x) 等は function 由来。)このように用語の頭文字を使って変数や関数を表す方法は決して試験のための暗記テクニックではなくて、物理などの自然科学や、工学で正式に用いられる手法の一つなのです。
用いられる文字記号に必ずしも用語としての意味があるとは限らないのですが、用語に由来するものについては用語を知っておくとより分かり易いかともいます。

② 2階微分=ゼロ f ”(x)=0 慣性の法則の運動方程式での表現 

2階微分が0になるという微分方程式も、簡単に解けるタイプのものです。高階の微分が入っていると一見難しく見えるかもしれませんが、じつは非常に簡単なのです。
物理的には、力が働いていない物体は等速「直線」運動する事に関わります。

数学的な解法 ■ 物理的な意味・・慣性の法則の表現その2(等速直線運動)

解法:1次関数を「2回」微分してみる

「2階微分=0」という微分方程式

$$ \frac{d^2}{dx^2}f(x)=0$$ 「『2回』微分すると0になる」関数はなんだろう?という方程式です。 $$解: 1次関数\hspace{5pt}f(x)=bx+c\hspace{10pt}(b,c:定数)$$

2階微分が入っているので、一見、どうすればよいのか迷うかもしれません。

しかし、要するに2回微分すると0ですから・・
1回だけの微分は『定数』」であるはず??・・という事に気付くと、解けます!
つまり「1回の微分で定数になる関数(もう1回微分で0)」→ 1次関数が解 というわけです。
使う公式としては、「1階微分=0」の時と同じ公式の組み合わせという事に、なります。

対象の関数微分公式微分方程式の解法での役割
①定数(定数関数)\({\large \frac{d}{dx}c=0}\)微分すると0になる
②単項式「x の a 乗」\({\large \frac{d}{dx}x^a=ax^{a-1}}\)
\({\large \frac{d}{dx}x=1\cdot x^{0}=1}\)
微分するとx の指数が1下がる
「x の 0 乗」は定数

実際に、解となるはずである1次関数を「2回」微分してみましょう。

  1. 微分1回目:\(\frac{d}{dx}(bx+c)=b\)(定数)
  2. 微分2回目:\(\frac{d}{dx}b=0\)(ゼロ)→ OK
  3. 合わせると:\(\frac{d^2}{dx^2}(bx+c)=0\hspace{10pt}\rightarrow \frac{d^2}{dx^2}f(x)=0\hspace{5pt}の解\)

というわけで、確かに1次関数 bx + c は、2階微分=0という微分方程式の解です。
尚、定数関数も何回微分してもゼロになるので解ですが、これは1次関数で b = 0 の場合と見なせるので、任意定数 b の値に制限を設けなければ1次関数に含める事ができます。

この解の導出過程では、「1階微分=(ゼロ以外の)定数」というタイプの微分方程式の解も、合わせて見つけている事になります。また、同じ論法を使うと、3階微分=0、4階微分=0といった微分方程式の解も同様に考える事が可能というわけです。
\(\frac{d^3}{dx^3}f(x)=0 \)の解は「2次関数」、\(\frac{d^n}{dx^n}f(x)=0 \)の解は「(n-1)次関数」という事になるのです。
ただし、物理の運動方程式などは「2階の」微分方程式ですので、ここでは「2階微分=0」の微分方程式に絞って物理的な意味を考察してみましょう。

物理的な意味:慣性の法則の表現その2・・等速の「直線」運動を矛盾なく表現

「2階微分=0」という微分方程式の解が1次関数である事から、運動方程式で物体に「力が働いていない」場合に運動が「等速」である事に加え、軌道が「直線」である事まで数式で表現できるのです。
この「軌道が直線になる」という理屈は簡単なものですが、少しだけ力学の詳細にも立ち入ります。

■ 説明の前半:「2階微分=0」の式を3つ作る ■ 後半:x,y,z の「直線の式」を作る
■ 参考1:「慣性の法則」自体は、運動方程式の妥当性の前提条件 ■ 参考2:「ベクトルの微分」と力学

手順の前半:「2階微分=0」の式が3つできる!

運動方程式を「2階」の微分方程式として扱える事から始まり、結論を得る流れを見ましょう。

  1. \(\frac{d}{dt}v(t)=a(t)\) 「速度の(1階の)時間微分=加速度」
  2. \(\frac{d}{dt}x(t)=v(t)\)「位置の(1階の)時間微分=速度」(※位置とはx 座標、y 座標等の事)
  3. これら2つを合わせると: \(\frac{d^2}{dt^2}x(t)=a(t)\)「位置の時間による2階微分=加速度
    ■ 詳細説明1:加速度は位置座標の「2階微分」・・物理での基礎的で重要な解釈です。
  4. 一次元運動の場合、(1直線上の)座標を x(t) とすると
    「物体に働く力は、物体の質量と加速度に比例する」という運動方程式は、
    $$F=ma(t)\hspace{5pt}\Leftrightarrow \hspace{5pt}F=m\frac{d^2x(t)}{dt^2} と書ける$$
  5. 平面運動の場合、直交座標成分 x(t) と y(t)、
    空間運動の場合、同じく直交座標成分 x(t)、y(t)、z(t) ごとに運動方程式を立てるのです:
    ■ 詳細説明2:空間運動の運動方程式は座標成分ごとに3つ作る・・これも物理で重要です
    $$F_x=m\frac{d^2x(t)}{dt^2}\hspace{10pt}F_y=m\frac{d^2y(t)}{dt^2}\hspace{10pt}F_z=m\frac{d^2z(t)}{dt^2}$$
  6. 力が働いていない場合は、力の各成分に0を代入する:
    $$0=m\frac{d^2x(t)}{dt^2}\hspace{10pt}0=m\frac{d^2y(t)}{dt^2}\hspace{10pt}0=m\frac{d^2z(t)}{dt^2}$$ 質量mは、両辺で割る事により消去できます。(解に影響を与えないという事です。)
空間での運動を考える時は、正確には運動方程式を3つ作って分析を行うという事です。力が働いていない時は、「2階微分=ゼロ」という式が、3つできます。変数はそれぞれ時間 t であり、x,y, z がそれぞれ関数 x(t), y(t), z(t) である事に注意してください。分かりにくいと感じたら、ここは飛ばしても何ら支障はありません。次のタイプの微分方程式に進んでください。

(物理的解釈は飛ばして、次のタイプの微分方程式に進む場合はこちらへ)
\(y^{\prime\prime}-b=0\)・・放物運動 ■ \(y^{\prime\prime}+b^2y=0\)・・調和振動(単振動)■ \(y^{\prime\prime}+by^{\prime}+cy=0\)・・粘性抵抗

手順の後半:「時間を消去」してx, y, z 同士の式を作ろう
  1. という事は、「『2階微分=0』という式が3つできる」
    → 時間変数の1次関数が解になる式が3つできる
    式で書くなら:\(x(t) = b_1t+c_1,\hspace{10pt} y(t) = b_2t+c_2 ,\hspace{10pt} z(t) = b_3t+c_3\)
    ■ 詳細説明3:各微分方程式を解き、連立方程式にする・・t の1次関数が3つできます
  2. 連立方程式を解く要領で「t を消去」して「x と y」「x と z」「z と x と y」などの関係式を作る。
    →すると、x, y, z のそれぞれ同士の関係も「1次関数」になるのです。
    y = Ax + B, z = Ax + By + C のような形になります。これらは「直線」の関係ですね。
    ■ 詳細説明4:連立方程式を解き、座標成分同士の関係式にする・・簡単な計算作業です
  3. すると結局何が言えた事になるのでしょう?

    → 「力が働いていない(ゼロ)」という条件のもとで運動方程式を解き、
     物体の位置座標(x, y, z)を空間に描くと、その軌道は「直線になる」
    →「静止してない物体に力が働かない時、物体は等速の『直線』運動をする
    という慣性の法則の内容が、この段階で、数式によって確かに矛盾なく表現される事を意味するわけです。

    • 「等速である」事については、加速度を「速度の1階微分」と考えて「1階微分=0」の微分方程式の解から出せます。それを各成分について考えても同じ事で、空間の中の軌道を等速で運動している事になります。
      ■ 上記「1階微分=0」の微分方程式をご参照ください。解は定数関数です。
    • 等速の「直線運動」とは逆に、軌道が少しでも「曲がっていたら」、それは何らかの力が働いている事も意味します。
      力は、多くの場合は物体の速さを変えますが、中には「速さはそのままで『軌道を、直線形からそらす』」というものもあるのです(等速円運動の中心力など)。

慣性の法則の物理学的な考え方については、こちらの簡単な説明もご参照ください。
■ 参考1:「慣性の法則」自体は、運動方程式の妥当性の前提条件

詳細説明1:加速度は位置座標の「2階微分」

物理学においては、じつは「『位置座標』を時間で2階微分したもの」が、加速度なのです。
しかしその前に、まず「速度」の1階微分が「加速度」でした。
式で書くと:\(\frac{d}{dt}v(t)=a(t)\)
そして次に、「位置座標」の1階微分が「速度」であると解釈するのです。
式で書くと:\(\frac{d}{dt}x(t)=v(t)\)

・・するとどうなるでしょう?
少し込み入っていますが、冷静にそれらの関係を整理すると、
「位置座標の2階の時間微分は加速度」という事になるのです。
これについては、数式で見たほうが分かりやすいかもしれませんね。
位置で表した v(t) を、加速度のほうの式に代入するのです。
つまり:\(a(t)=\frac{d}{dt}v(t)=\frac{d}{dt}\left(\frac{d}{dt}x(t)\right)=\frac{d^2}{dt^2}x(t)\)
まとめると:\(a(t)=\frac{d^2}{dt^2}x(t)\)
この事は、加速度が速度の1階の時間微分であるのと同様に、物理において重要な解釈です。

詳細説明2:加速度は位置座標の「2階微分」

物理では力を方向ごとに「分解」できて、しかもその分解のされ方は数学の「ベクトル」と同じ要領で可能であるという実験事実があります。(「平行四辺形の規則」と言います。)・・という事は、運動方程式も、じつは力を分解した成分ごとに立てる事ができるのです。

そこで、空間の x, y, z の3直交座標成分に分けた3つの運動方程式を考えるのが、力学での基本的な考え方です。(※物体の運動に対し座標軸の向きをうまく調整すれば、考える式は2つや1つでも可。)
この考え方により「力が働いていない物体は静止していなければ『直線』運動を続ける」事を示せます。

具体的に式で書きますと、物体の位置を (x, y, z) として、それぞれが時間によって値が変わる・・つまり時間の関数 x(t), y(t), z(t) であるとします。さらに、物体に働く力も各方向に Fx, Fy, Fz という具合に分解します。
これらのそれぞれについて運動方程式が成立するのです。すなわち、次の3式が成立します。$$F_x=m\frac{d^2x(t)}{dt^2}\hspace{10pt}F_y=m\frac{d^2y(t)}{dt^2}\hspace{10pt}F_z=m\frac{d^2z(t)}{dt^2}$$

詳細説明3:各式ごとに微分方程式を解き、連立方程式にする

3つも微分方程式があるといかにも面倒そうですが(実際、一般論としては厄介です)、ここでは「力が働いていない」場合を考えるだけなので、3式とも力の部分に0を入れるだけです。つまり次のように、3つの「2階微分=0」という式を考えるだけで済みます。

$$0=m\frac{d^2x(t)}{dt^2}\hspace{10pt}0=m\frac{d^2y(t)}{dt^2}\hspace{10pt}0=m\frac{d^2z(t)}{dt^2}$$

$$ \Leftrightarrow \hspace{10pt} 0=\frac{d^2x(t)}{dt^2}\hspace{10pt}0=\frac{d^2y(t)}{dt^2}\hspace{10pt}0=\frac{d^2z(t)}{dt^2}$$

「2階微分=0」 を満たす関数は「1次関数」ですから、次の3つの「普通の関数」に関する連立方程式に変わります。

$$x(t) = b_1t+c_1,\hspace{10pt} y(t) = b_2t+c_2 ,\hspace{10pt} z(t) = b_3t+c_3 $$

詳細説明4:連立方程式を解き、座標成分同士の関係式にする

3式とも t に関する1次式ですから、通常の連立1次方程式と同じく、「t を消去する(あるいは代入する)」方法で、座標成分同士の関係式を作れます。

例えば x と y の関係式は、b1≠0の条件のもとで\(b_2x-b_1y=c_1b_2-c_2b_1\Leftrightarrow y=\frac{b_2}{b_1}x+\frac{c_2b_1-c_1b_2}{b_1}\)です。
もっとも、あまり具体的な関係式を出す事よりも、ここでは y = Ax + B のような「1次関数(グラフで言うと直線)」の関係になっているかを見ればじゅうぶんです。

すると、全く同じ要領で考えて、x と z 、y と z の関係も同様にお互いに1次関数の関係にある事が分かります。また、z = Ax + By + C の形の「3次元での直線」を表す関係式も成立する事も分かります(※例えば x + y を考えたうえで t を x, y で表し z の式の t に代入)。

いずれにしても、x, y, z 同士の関係を直交座標(=現実の空間のモデル)上のグラフに描けば直線という事になり、「軌道は直線である」事を意味します。
逆に、もし物体の運動の軌道が曲がっているとすれば、軌道を直線からそらすような何らかの力が働いているという事も意味するのです。

※物体が「静止」している場合、もちろん軌道は直線にはなりませんが、これは微分方程式の解から考察すると、例えば x 座標成分について x = bt + c で b = 0 の場合、x = c となり、任意の時刻でその位置という事ですから、少なくとも x 軸方向には一切動いていない事を示しています。
y と z についても同様に時間に対して定数であるとすると、結局物体の位置座標は任意の時刻で必ず1点にある=「静止している」という事になります。そのような場合を除くと、物体の位置座標同士の間で必ず1次式の関係を作る事ができ、直線軌道ができるという事です。

参考:「慣性の法則」自体は、運動方程式の妥当性の前提条件

このように運動方程式から「慣性の法則」の内容がきちんと表現できるわけですね。

ただし、じつは物理学的に細かい事を言うと、慣性の法則とは
運動方程式の妥当性の前提となる条件」でもあって、
「法則自体が運動方程式から導出されるわけではない」のです。
この事には、数式を物理学的な観点から見る場合には、注意していただければと思います。
※このページで、運動方程式によって慣性の法則の内容が「矛盾なく表現できる」という言い方をしているのは、このためです。

「1階微分=0」「2階微分=0」という微分方程式は数学的にはとても簡単な微分方程式に属するのは間違いありませんが、物理で用いる場合に物理的な意味を考えると、考察する事が意外と多くあります。(逆のパターンもあります。物理的に重要ではないけれど数学的に考察する余地が多くある事も、あります。)

参考:慣性の法則と運動方程式
運動の3法則の第1法則が「慣性の法則」、第2法則が「運動方程式」

物理学の力学においては、運動の3法則というものを基礎に据えて理論を考えます。

  1. 「慣性の法則」:「力が働いていない物体は、静止し続ける、または一定の速度の運動を続ける」という座標系が存在する
  2. 「運動方程式」:物体に働く力(ベクトル)は物体の質量と加速度(ベクトル)に比例
  3. (ここでは関係ないですが、3番目は「作用反作用の法則」です。)

細かい事を言いますと、下線を引いてある「『座標系』が存在する」というところが力学では理論的な意味で重要で、この意味では第1法則=慣性の法則が成立しないと、第2法則である運動方程式も、じつは意味をなさないのです。
その意味で、慣性の法則には「運動方程式で表現できる」事以上の意味があるので、注意は必要です。

ただしもちろん、「物体に働く力がゼロ」である場合に、もしも運動方程式から導出される結果が慣性の法則と矛盾していたら本末転倒であって、理論として成立しません。そのため、運動方程式からも慣性の法則の言うところの内容が「矛盾なく」表現できる事にも、意味があるのです。
そして数学的には、上記で述べましたようにそれは「1階微分=0」と「2階微分=0」という微分方程式で表現されるというわけです。

この時、氷を滑る物の上にいる「観測者」の立場に立つと、その物は「止まっている」と見る事もできます。物体の速度は、厳密には「観測者によって異なる」のです。上記の「座標系」うんぬんの話は、そのような事も考慮する場合には必要な議論であり、力学の基礎理論として重要なのです。

参考:「ベクトルの微分」と力学

力が働いていない場合に、「軌道が直線」になる事を明確にするには、x と y などの、座標成分同士の関係を知る必要がある事が、上記の説明から分かるかと思います。そのためには、微分方程式である運動方程式も、座標ごとに3つ作る必要があったわけです。(平面だけを考えるなら2つでも可能。)これを、物理の力学では「ベクトル」で表現します。簡単に触れておきますので、適宜、御参照ください。

参考:「現実の」3次元空間での運動方程式の数式表現・・ベクトルの使用

力を x, y, z の直交座標成分に分解して運動方程式を考えた時、上記でも述べましたように $$x 軸方向:\hspace{10pt}F_x=m\frac{d^2x(t)}{dt^2}$$ $$y 軸方向:\hspace{10pt}F_y=m\frac{d^2y(t)}{dt^2}$$ $$z 軸方向:\hspace{10pt}F_z=m\frac{d^2z(t)}{dt^2}$$ という3つの式ができます。
このページの微分方程式の解法ではあまり関係はありませんが、
物理ではこれら3式をまとめて、「ベクトルの微分」として表現し、運動方程式で用います。数式で書くと次のような形です。 $$3次元空間での運動方程式:\overrightarrow{F}=m\frac{d^2\overrightarrow{X}}{dt^2}$$ $$\overrightarrow{F}=(F_x,F_y,F_z)\hspace{15pt}\overrightarrow{X}=(x(t),y(t),z(t))\hspace{15pt}\frac{d^2\overrightarrow{X}}{dt^2}=(\frac{d^2x(t)}{dt^2},\frac{d^2xy(t)}{dt^2},\frac{d^2xz(t)}{dt^2})$$ 力学においては、ベクトルの「内積」と同じ形の式なども物理的意味を持ち、しかもそれが理論的にかなり重要です。そのため、力学では基本的に力をベクトルと考えて理論を進めます。

それでは次に、物理的には放物運動(2次関数のグラフの形)を表す微分方程式を見てみましょう。これについては高校の物理でも多分扱われていると思いますが、微分方程式の観点から考察してみましょう。

③ \(y^{\prime\prime}-b=0\)・・放物運動

「2階微分が定数に等しい」という微分方程式です。(もちろん\(y^{\prime\prime}=b\)と書いても同じです。b = 0 の場合は2階微分=0のタイプですから、b≠0 と考えてください。)
物理的には運動方程式において地上で物を投げた時の運動としての意味があり、放物軌道の運動を表します。

数学的な解法 ■ 物理的な意味・・地上での水平投射の重力による運動(放物運動)

解法:1回微分すると1次関数→2回微分すると定数 と考えよう

「2階微分=もとの関数」という微分方程式

$$ \frac{d^2}{dx^2}f(x)-b=0$$ 「『2回』微分すると定数になる」関数はなんだろう?という方程式です。 $$解: 2次関数\hspace{5pt}f(x)=\frac{b}{2}x^2+Ax+C\hspace{10pt}(A,C:定数、b は微分方程式内で使われてる係数)$$

この3つ目のタイプの微分方程式の場合、2回微分すると定数・・という事ですから、「1回微分すると1次関数」を見つければよいのです。

対象の関数微分公式微分方程式の解法での役割
①定数(定数関数)\({\large \frac{d}{dx}c=0}\)微分すると0になる
②単項式「x の a 乗」\({\large \frac{d}{dx}x^a=ax^{a-1}}\)
\({\large \frac{d}{dx}x=1\cdot x^{0}=1}\) \({\large \frac{d}{dx}x^2=2x}\)
微分するとx の指数が1下がる
「x の 0 乗」は定数

単項式の微分公式を見ると、1回微分するごとに指数(xの「〇乗」の〇)が1下がりますから、2次関数を1回微分すると1次関数になりますね。

ですから、解となる関数は「2次関数」です。
最後に定数 b が残ってほしいのと、係数調整のために、
\(\frac{b}{2}x^2+Ax+C\)のような形のものを選びます。2次関数の中の Ax + C の部分は、2回の微分操作の過程で0になって消えてしまうので、A と C は任意定数という形になります。
2次式を微分するために\(\frac{1}{2}\)というオマケがくっつく事に注意する必要がある事を除けば、これも難しくないのではないと思います。

実際に微分して確かめてみよう

実際に微分をしてみて、確かめてみましょう。

  1. 微分1回目:
    \(\frac{d}{dx}\left(\frac{b}{2}x^2+Ax+C\right)=2\cdot \frac{b}{2}x+A=bx+A\) (1次関数)
  2. 微分2回目:
    \(\frac{d}{dx}(bx+A)=b\)(定数で、しかも b に一致)→ OK
  3. 合わせると:
    \(\frac{d^2}{dx^2}\left(\frac{b}{2}x^2+Ax+C\right)=b\hspace{10pt}\rightarrow 2次関数\frac{b}{2}x^2+Ax+C は、確かに\frac{d^2}{dx^2}f(x)-b=0\hspace{5pt}の解\)

物理的には、運動方程式においては「地上で物を投げた時」の運動を表します。座標同士の関係を表す軌道が2次関数の関係式になるので、放物線を描きます。

物理的意味:地上での水平投射 重力だけが働く場合は放物運動

ここでは、運動方程式で働く力が「重力」であるとします。これは、地球上では物体の質量が定まれば一意的に決まり、その大きさは mg (≒9.8m) である事が知られています。この時、水平に物を投げる(「投射する」)と、軌道は2次関数のグラフである放物線になる事を見ましょう。

■ ①考え方・・水平方向と垂直方向に分ける ■ ②設定をして、2方向の2本の運動方程式を作ろう
■ ③運動方程式の解から軌道の関係式を作ると、2次関数つまり「放物線」が得られる

① 考え方・・水平方向と垂直方向に力の働き方を分ける

水平に物を投げる(投射する)運動を考えます。投げた瞬間には力が働いているかもしれませんが、一旦手などを離れたら、水平方向には力は働かず、地面に向かう方向にのみ重力が働くと考えて数式を組み合わせるのです。

  • 地面に対して水平(平行)な向き:力は働かない
      → 等速で運動(射影して見れば直線運動でもある)
  • 地面に対して垂直(直角)な向き:重力 mg [N] が地面に向かう向きで働く
      → どういう挙動をするか?(運動方程式を立てて解くと「時間の2次関数」になる)

上記の「2階微分=0」の微分方程式の物理的意味の項目で、平面や空間の運動で運動方程式を考える場合は、力を分解して「座標成分ごとに運動方程式を立てる」という事を述べました。ここでも、同じ考え方をします。

この場合は、3次元で考えてもよいのですが、最初に物を放り投げた方向に向かって上手に1つの座標軸を合わせたと考えると、すなわち平面で考えても全く同じ運動を表せます。

空気抵抗力などがなく、ひたすら地面に向かって同じ大きさの重力 -mg が働くと仮定します。こういうボールみたいなものを投げる時、力学的には、「『回転』もないものとする」という仮定も、一応重要です。

(※働く力が重力だけであると想定するので、「水平方向には力は働かない」=「水平方向だけで見れば等速直線運動」という事が保障されるので、そのように考えてよいわけです。「直線」という事については、地面の真上から見れば「直線」になっているという事です。このような見方を「射影(しゃえい)」と言います。)

② 設定をして、2方向の2本の運動方程式を作る

このようにして考える時、どちら向きがプラスでどちら向きがマイナスかも含めて、座標軸の向きの設定を行ってから運動方程式を立てます。今、運動は平面で考える事にして、座標軸は x 軸と y 軸であるとします。

座標軸の設定
  • x 軸:地面に対し水平方向、物体が投射される平面内、進行方向が+プラス
  • y軸:地面に対して垂直、地面から空の向きが+プラス、空から地面への向きが-マイナス

そして、2本の運動方程式を立てましょう。※尚、この場合に仮に3本目を立てたとしても、その向きには働く力はゼロ、位置もゼロから動かないので 0 = 0 という式ができるだけです。

  1. x 軸成分: \(0=m\frac{d^2x(t)}{dt^2}\) → 「2階微分=0」なので、解は t の1次関数ですね
  2. y軸成分:\(-mg=m\frac{d^2y(t)}{dt^2}\hspace{5pt}\Leftrightarrow \hspace{5pt}-g=\frac{d^2y(t)}{dt^2} \) → 「2階微分=定数」の微分方程式で、
    解は t の2次関数というわけです。
    この場合、質量 m は上手い具合に両辺に入っているので、両辺で割って消せます。

y 軸成分の運動方程式で「力」の部分を – mg としているのは、空 → 地面方向は「マイナス」向きと設定したためです。地面方向に向かう「重力」の符号もマイナスにするのです。
(※では、もし「地面向き方向をプラスに設定したら + mg にするのか?」と言うと、その通りです。その場合は \(mg=m\frac{d^2y(t)}{dt^2} \)になります。符号が変わっても、解が2次関数という事自体は変わりません。)

② 運動方程式の解から軌道の関係式を作ると、2次関数つまり「放物線」が得られる

という事は、$$x(t)=bt+c,\hspace{5pt}y(t)=-\frac{g}{2}t^2+Bt+C $$という形の2式が、微分方程式である運動方程式の解として、出てくるわけです。
x(t) のほうが1次式ですから、これを t = ・・の形にして y(t) のほうの t に代入すると、$$y(x) = -Ax^2+Px+Q \hspace{5pt}(A > 0)$$ という、x に関する2次関数の形になる事が分かります。

これで、軌道が確かに「放物線」である事が表現されたわけですが、座標軸の正負の向きの設定などから、上記の各定数について b > 0 、A > 0 となるので、最後の結果で \(-Ax^2\)(例えば \(– 2x^2\))という形が出てくるという事は、きちんと「下に落ちていく」という事も表しています。
このような時に結果を考察すると何だか変な事になる場合は、符号の設定などを間違えているかの可能性があるわけです。

さて次は、三角関数が解になるタイプの微分方程式です。じつは、これは物理の力学で言うと「ばねの運動」なので、空間でも平面でもなく、「一次元(直線運動)」と考えてよいパターンです。ですから運動方程式は1つだけ作ればよいので、意外と考察しやすいかもしれません。

④ \(y^{\prime\prime}+b^2y=0\)・・調和振動(単振動)

このタイプの微分方程式は、2階微分と「元の関数」が入っていて、定数倍の関係にあるというものです。三角関数が関係し、物理的には抵抗力などが無い場合の「ばねの運動」(調和振動、単振動とも言います)を表します。
※\(b^2\) という「2乗」の形は、これ自体は「正の数」である事を言っています。
\(y^{\prime\prime}=-b^2y\) つまり「2階微分」=「負の定数」×「もとの関数」という事です。

数学的解法 ■ 物理的な意味:ばねの運動は三角関数(調和振動、単振動)

数学的解法:まず「2回微分すると元の関数の定数倍」になる関数は?

「2階微分=もとの関数の正の定数倍」という微分方程式

$$ \frac{d^2}{dx^2}f(x)+b^2f(x)=0$$ 「『2回』微分すると『もとの関数の負の定数倍』になる」関数はなんだろう?という方程式です。 $$解: 三角関数\hspace{5pt}f(x)=A\cos (bx+C)\hspace{10pt}(A,C:定数、b は微分方程式内で使われてる係数)$$

「2回微分するともとの関数の『マイナスの定数倍』」というものは、微分公式にあるでしょうか?三角関数は、これに似ています。実際、これをパーツとして使えるのです。この時、正弦でも余弦でも同じ事なので、ここでは余弦 cos x を、使います。

対象の関数微分公式微分方程式の解法での役割
④-1 三角関数(正弦関数)\({\large \frac{d}{dx}\sin x=\cos x}\)微分2回で元の関数の符号±入替
④-2 三角関数(余弦関数)\({\large \frac{d}{dx}\cos x=-\sin x}\)微分2回で元の関数の符号±入替
⑤合成関数の微分\({\large \frac{df(y)}{dx}=\frac{df(y)}{dy}\frac{dy(x)}{dx}}\)微分方程式内の定数倍などを調整

三角関数を2回微分すると、もとの関数の「マイナス倍」になります。
他方、解きたい微分方程式は、「『マイナスの定数』倍」となっています。
すると、符号はよいとして、微分した時だけ「定数倍」を新たに出すにはどうすればいいでしょう?

そのためには、じつは合成関数の微分公式を考えればよいのです。この考え方は、このページで紹介するタイプ以外の微分方程式でも有効な手段です。

例えば cos(2x) の微分を1階と2階について見ますと、$$1階微分:\frac{d}{dx}\cos (2x)=(2x)^{\prime}(-\sin (2x))=-2\sin (2x)$$ $$2階微分:\frac{d^2}{dx^2}\cos (2x)=\frac{d}{dx}(-2\sin (2x))=-4\cos (2x)$$ になります。y = 2x , cos(2x) = cos y と考える事ができるので、合成関数の微分公式が適用できるのです。係数として「2」というのが掛けられていますが、それが合成関数の微分由来で出てくる係数というわけです。

・・すると、この cos (2x) という関数は、2回微分するともとの関数 cos (2x) の – 4 倍になっているので、 「2回微分するともとの関数の『マイナスの定数倍』」 の条件を満たす関数の仲間である事が分かります。

という事は、定数倍として\(-b^2\)がほしいのであれば、
cos (bx) という関数を考えれば、2回微分すると合成関数の微分公式が2回適用されるので、\(-b^2\cos (bx)\)が得られます。これが解という事になりそうですね!

任意定数については、まず A を任意定数として、A cos(bx) という形でも解として成立するのです。また、別の任意定数 C を用いて Acos(bx+C) という形でも、じつはOKなのです。これは、合成関数の微分を行う時に、bx + C を x で微分すると b は生き残りますが C はゼロになって消えるためです。

実際に微分して確かめてみよう!

つまり、総合すると Acos (bx+C) という関数が、解になるという事です。正弦で考えても同様の形になります。実際に微分してみて、確かめてみましょう。

  1. 微分1回目:\(\frac{d}{dx}A\cos (bx+C)=-bA\sin(bx+C)\)(マイナスの正弦)
  2. 微分2回目:\(\frac{d}{dx}\{-bA\sin(bx+C)\}=-b^2A\cos (bx+C)\)
    (もとの関数の「マイナスbの2乗」倍)→ OK
  3. 合わせると:
    \(\frac{d^2}{dx^2}A\cos (bx+C)=-b^2A\cos (bx+C)\hspace{5pt}\Leftrightarrow\hspace{5pt}\frac{d^2}{dx^2}A\cos (bx+C)+b^2A\cos (bx+C)=0\)
    \(\rightarrow A\cos (bx+C)は、確かに\frac{d^2}{dx^2}f(x)+b^2f(x)=0\hspace{5pt}の解\)

物理的には、運動方程式を考えると、このタイプの微分方程式は「ばねの運動」を表します。ばねというと、いかにも人工的な響きがありますが、別に工学だけで用いるというものでもありません。例えば、ミクロの領域での分子の振動などを、ばねと同じタイプの振動(調和振動)と考えるモデルをもとにして考察する事が、量子力学や量子化学でもなされるのです。

物理的意味:ばねの運動は三角関数(調和振動、単振動)

運動方程式で、ばねにつながれた物体の運動を考えると、上記の「2階微分=負の定数×もとの関数」という微分方程式になります。ばねは、抵抗力が働かないなら伸びたり縮んだりを繰り返しますから、周期関数である三角関数が解であるという事はその事実と調和しているというわけです。

■ ①まずは設定をしよう・・一次元の運動として扱えます ■ ②解いてみて完成・・結果は三角関数です
① まずは設定をしよう

抵抗力がない状態で、ばねの伸び縮みの力だけで、ばねにつながれた物体が(振動)運動しているとします。この場合は、1次元の直線運動と考えてよいので、運動方程式を3つ・2つ立てる必要はなく、1つでよいのです。ですから、式さえ立てれば、結構分かりやすいと思います。

ばねの力の大きさは、ばねの「伸び」または「縮み」に比例します。(「フックの法則」と言います。)
これはつまり、ばねの平衡点(伸び縮みのない自然な状態のばねの先端の位置)から見て「位置座標」に比例するという力であるわけです。時間を変数とした場合、これは「もとの関数 x(t) 」に比例する力、というわけです。
比例するという事は比例定数もあって、「kx」という形の力が働くというわけです。この k を「ばね定数」という、そのまんまの名称で呼びます。(※物としてバネが対象ではなく、分子の振動などを調和振動モデルとして考える場合などは、「力の定数」という呼び方もします。)

ただ、プラスマイナスの符号にだけは注意しましょう。まず、ばね定数 k は正の値であるとします。次にばねの平衡点を原点 x = 0 として、座標の正負の向きを次のように設定します。

  • 原点から見て、ばねが伸びている方向:プラス方向
  • 原点から見て、ばねが伸びている方向:マイナス方向

この時、ばねによる力の向きを考えてみます。符号に注意してください。

  • ばねが伸びている時・・つまり位置座標が正の値の時:
    力は原点向き つまり負の方向(例えば x = 2 だったら、F = -2k )
  • ばねが縮んでいる時・・つまり位置座標が負の値の時:
    力は原点向き つまり正の方向(例えば x = -2 だったら、F = +2k )

これをまとめますと、「ばねの力は位置座標と常に逆の符号」という事です。 $$ばねの力:F = -kx(t)\hspace{10pt}(x(t):位置座標、ばね定数 k>0)$$ そうしますと運動方程式は次のようになるわけです。 $$-kx(t)=m\frac{d^2x(t)}{dt^2}\hspace{10pt}\Leftrightarrow \hspace{10pt}\frac{d^2x(t)}{dt^2}+\frac{k}{m}x(t)=0$$

物体の運動の様子を調べるにはこれを解けばよいわけですが、もう分かっているわけです!

② 解いてみて完成

ばねにつながれた物体に関する運動方程式\(\frac{d^2x(t)}{dt^2}+\frac{k}{m}x(t)=0\) は、
形としては「2階微分=負の定数×もとの関数」ですから、解は三角関数 Acos(bt+C) の形ですね。
(一応、\(\frac{k}{m}>0\)という符号にも注意してください。)

もう少し物理的に見通しをよくするために、
\(\frac{k}{m}=\omega^2\)(\(\omega\):「オメガ」)という置き換えが、よく行われます。
そのように置き換えると、運動方程式は\(\frac{d^2x(t)}{dt^2}+\omega^2 x(t)=0\) となりますから、
解は \(A\cos (\omega t+C)\) という形で書けるわけです。

このオメガ \(\omega\) という記号は、ばねの調和振動に限らず、回転運動などの周期的な運動における角速度角振動数角周波数(1秒間に何ラジアン回るか)を表します。ばねの場合は「振動」ですので、角振動数と言う場合が多いです。いずれにしても、ばねの運動を周期運動と見た場合に、角度の部分(「位相」)がどのように変化するかを表す値というわけです。

ここでは \(\frac{k}{m}=\omega^2\) と、おいただけでしたから、そのような角振動数は、物体の質量とばねの性質(ばね定数の大きさの違い)によって決まるという事も分かります。

さて、使用する実質5つの公式のうち、まだ使っていないのが 自然対数の底 e の指数関数の微分公式です。最後に紹介するタイプの微分方程式は、この e の指数関数の微分公式を用いて解けます。

⑤ \(y^{\prime\prime}+by^{\prime}+x=0\)・・粘性抵抗ありのばねの運動

5つ目の微分方程式として、\(y^{\prime\prime}+by^{\prime}+x=0\) で「『特性方程式』が異なる2つの実数解を持つ場合」を説明いたします。この、後のほうにくっついてる妙な条件は別になくてもきちんと微分方程式は解けるのですが、簡単なのがこの条件の場合ですので、この場合を述べます。(一般の場合も後述します。)
物理的には、粘性の強い流体の中でのばねの運動で、振動する事なく少し動いて止まってしまう・・という運動を表します。

数学的解法 ■ 物理的意味:粘性抵抗が「強い」場合のばねの挙動

数学的解法:e の指数関数の微分を使おう

これの説明は他のものと比べて少し長いですが、「公式を上手に当てはめれば解ける」という事には変わりありません。

\(y^{\prime\prime}+by^{\prime}+cy=0\)という形の微分方程式

$$ \frac{d^2}{dx^2}f(x)+b\frac{d}{dx}f(x)+cf(x)=0\hspace{10pt}x^2+bx+c=0が異なる「2つの『実数解』」を持つ場合$$ このような形の方程式で、何やら変な条件がくっついている場合の微分方程式です。 $$解: e の指数関数\hspace{5pt}f(x)=Ae^{\alpha x}+Be^{\beta x}$$ $$(A,B:定数、\alpha, \beta は x^2+bx+c=0 の解(異なる2つの実数解)$$

このタイプの微分方程式を解くには、e の指数関数の性質と、1つ前の微分方程式の例でも用いた
「合成関数の微分公式で『定数調節』」する手法を上手に組み合わせればよいのです。

対象の関数微分公式微分方程式の解法での役割
③自然対数の底 e の指数関数\({\large \frac{d}{dx}e^x=e^x}\)微分すると元の関数に戻る
⑤合成関数の微分\({\large \frac{df(y)}{dx}=\frac{df(y)}{dy}\frac{dy(x)}{dx}}\)微分方程式内の定数倍などを調整

考え方を簡単に述べましょう。三角関数で cos (bx) 等を考えた時は、
1階微分で b倍、2階微分で\(b^2\)倍という定数倍調整に利用できました。
同様に、指数関数についても、定数 \(\alpha\) を用いて \(e^{\alpha x}\) といった形の関数を考えると定数倍調整に使えます。

この \(e^{\alpha x}\) という関数を微分すると、

  • 微分してないもとの関数:\(e^{\alpha x}\)
  • 微分1回目:\(\frac{d}{dx}e^{\alpha x}=\alpha e^{\alpha x}\)
  • 微分2回目:\(\frac{d^2}{dx^2}e^{\alpha x}=\alpha^2 e^{\alpha x}\)

ポイントは、「これらを加え合わせてみる」という事です。
e の指数関数は微分しても元の関数になるだけという際立った性質があるため、何回微分したとしても\(e^{\alpha x}\) が必ず含まれる事に注意して、足し算してみましょう。すると・・ $$\frac{d^2}{dx^2}e^{\alpha x}+\frac{d}{dx}e^{\alpha x}+e^{\alpha x} =\alpha^2 e^{\alpha x}+\alpha e^{\alpha x}+e^{\alpha x} =e^{\alpha x}(\alpha^2+\alpha +1)$$ もし「これがゼロ」であるなら、指数関数はゼロになりませんので、
後ろにくっついている \(\alpha^2+\alpha +1\) がゼロという事です。
少し、2次関数、2次方程式との関係がありそうですね?

では今度は、定数倍も考えて、
\(\frac{d^2}{dx^2}e^{\alpha x}+b\frac{d}{dx}e^{\alpha x}+ce^{\alpha x}\) を考えてみましょうか。 $$\frac{d^2}{dx^2}e^{\alpha x}+b\frac{d}{dx}e^{\alpha x}+ce^{\alpha x} =\alpha^2 e^{\alpha x}+b\alpha e^{\alpha x}+ce^{\alpha x} =e^{\alpha x}(\alpha^2+b\alpha +c)$$ これがゼロになるには、先ほどと同じ論法で、
\(\alpha^2+b\alpha +c=0\)となる \(\alpha\) であればよい、という事です。

\(\alpha\) が \(\alpha^2+b\alpha +c=0\) となる事を、 全く同じ意味で、次のようにも言い換えられます。 $$「\alpha が x^2+bx +c=0 の解である」$$

そしてそのような場合、じつはまさしく上の微分方程式の形:
\(\frac{d^2}{dx^2}f(x)+b\frac{d}{dx}f(x)+cf(x)=0\)を満たしています。
ですから、まず次の事が言えます。

POINT

$$\alpha が x^2+bx +c=0 の解である時、e^{\alpha x}は$$ $$\frac{d^2}{dx^2}f(x)+b\frac{d}{dx}f(x)+cf(x)=0の解の1つ$$ また、任意定数を A として、\(Ae^{\alpha x}\) も解になります。
■ ここで解法のために考えている2次方程式を「特性方程式」と言います。n階の定数係数の線型の微分方程式に対する、同じ係数を用いたn次方程式を一般的に特性方程式と呼びます。

さて、\(\alpha が x^2+bx +c=0\) の「実数解」である時で、重解では無い時
同じく実数解となる \(\beta\) が存在するわけで、これを用いた
\(e^{\beta x}\) も、同じく\(\frac{d^2}{dx^2}f(x)+b\frac{d}{dx}f(x)+cf(x)=0\)の解なのです。
微分の基本的な性質として\(\frac{d}{dx}(bf(x)+cg(x))=b\frac{df(x)}{dx}+c\frac{dg(x)}{dx}\) というもの(線型性)があった事に注意しますと、
「特性方程式」が2つの異なる実数解を持つ時の上記の微分方程式の解は、任意定数も考慮すると次のように表せるわけです:

解:「特性方程式」が2つの異なる実数解を持つ場合 $$\alpha と\betaを x^2+bx +c=0 の異なる2つの解、A と B を任意定数として、$$ $$\frac{d^2}{dx^2}f(x)+b\frac{d}{dx}f(x)+cf(x)=0の解は$$ $$Ae^{\alpha x}+Be^{\beta x} で表されます。$$ ■ 特性方程式が重解を持つ場合と、実数解をもたない場合にも微分方程式を解く事はできますが、これは別の記事で詳しく述べましょう。指数関数の微分の性質が重要である点は同じです。

物理でも、運動方程式がこのタイプの微分方程式になる事があります。それについて、見てみましょう。

物理的意味:粘性抵抗が「強い」場合のばねの挙動

ばねにつながれた物体の運動を表す運動方程式には、位置座標(1次元・直線)の「2階微分」と、「もとの関数の定数(ばね定数)倍」という項が含まれています。粘性のある流体の中のばねの運動の場合、これに粘性抵抗力が加わり、
これは速度に比例する事が実験から分かっています。つまり、「1階微分」に比例する項が加わるという事です。
特性方程式が異なる2つ実数解を持つ場合は、粘性が結構強い場合になります。

設定をして運動方程式を解く ■ どういう運動かを考察してみよう 

設定をして運動方程式を解く

まず、座標の設定としては、抵抗力のないばね運動の時と同じで、一次元の運動と考えてよいのです。ばねの平衡点を原点として、伸びる方向をプラス方向、縮む方向をマイナスとします。

次に、力を整理しましょう。ばねの力と、粘性抵抗力の2つがあります。粘性抵抗力は、運動を妨げる方向に働きますので、マイナス符号をつけるのです。(この抵抗力の符号の考え方は、空気抵抗力や摩擦力に対しても同じです。)

この場合に働く2つの力
  1. ばねの力:\(-kx\) k:ばね定数(正の値)
  2. 粘性抵抗力:\(-\rho \frac{dx(t)}{dt}\) \(\rho\):てきとうな比例定数(正の値)

すると、運動方程式は次のようになります。 $$-kx-\rho \frac{dx(t)}{dt}=m\frac{d^2x(t)}{dt^2}$$ $$\Leftrightarrow \frac{d^2x(t)}{dt^2}+\frac{\rho}{m} \frac{dx(t)}{dt}+\frac{k}{m}x=0$$ $$\left(\Leftrightarrow \frac{d^2x(t)}{dt^2}+2\gamma \frac{dx(t)}{dt}+\omega^2x=0\hspace{10pt}\gamma=\frac{\rho}{2m},\omega^2=\frac{k}{m}\right)$$ 最後の形には別に変形しなくてもよいのですが、この形だと、解を出しやすいです。
いずれにしても、\(\frac{d^2}{dx^2}f(x)+b\frac{d}{dx}f(x)+cf(x)=0\) の形に確かになっています。

特性方程式が「異なる2つの実数解を持つ」という条件が満たされているとすると、上記の要領で解く事ができます。一応、特性方程式の解を出しておきましょう。(※2次方程式なので比較的容易に出せる事に注意してください。) $$特性方程式:X^2+2\gamma X+\omega^2X=0\Leftrightarrow (X+\gamma)^2-\gamma^2+\omega^2=0 $$ $$\Leftrightarrow (X+\gamma)^2=\gamma^2-\omega^2\Leftrightarrow X+\gamma=\pm \sqrt{\gamma^2-\omega^2}$$ $$\Leftrightarrow X=-\gamma \pm \sqrt{\gamma^2-\omega^2}$$ この2解(実数解という条件とします)を用いて、
微分方程式のほうの解は\(Ae^{(-\gamma +\sqrt{\gamma^2-\omega^2})t}+Be^{-\gamma -\sqrt{\gamma^2-\omega^2})t}\)
・・という事になります。

どういう運動かを考察してみよう

解が出ましたので「これで終わり」でもよいのですが、少し汚い形という事もあって、結局どういう運動になるのかが分かりにくいですね。そこで、もう少しだけ考察をしてみましょう。

特性方程式の2解の形をよく見ますと、 \(X=-\gamma \pm \sqrt{\gamma^2-\omega^2}\) は、これが実数解であるという前提で、
プラスマイナスのどちらの符号をとってもじつは「負の値」なのです。
平方根につくのがマイナス符号の場合は、最初の定数の取り方から X は必ず負の数ですし、
平方根につくのがプラス符号の場合でも \(\sqrt{\gamma^2-\omega^2}<\gamma\) ですから、これは負の数になります。
(※分かりにくい場合、2乗してみてください。)

という事は、特性方程式の2解を、「正の定数」\(p,\hspace{5pt}q\hspace{5pt}を用いて X=-p,-q\)と書くと、 微分方程式のほうの解は、 $$x(t)=Ae^{-pt}+Be^{-qt}$$ となります。これだと多少見やすくて、p と q を正の数だとしましたから、これらにマイナスがついたものが指数に来ているという事は、時間に関して「単調減少」の関数であり、しかも変数の値が大きくなるとゼロに近づいていく事が分かります。 また、普通の指数関数ですので、三角関数と違って「振動」もしません。

この考察をまとめると、例えば次のような事が言えるのです。

粘性抵抗が強い場合の考察
  1. 時間が経てば経つほど,位置座標の x(t) の値は小さくなり、
    じゅうぶんな時間経過後(t → ∞)は、原点x(t) = 0 (ばねの平衡点)に近づき、
    そこからほぼ動かなくなる。
  2. 位置座標 x(t) は通常の指数関数で表されているので、振動はしない。
    伸びた状態から始まるにしても縮んだ状態から始まるにしても、そこから平衡位置に戻って動かなくなり、運動が終了する。

特性方程式が2次方程式の場合、実数解を持つかは \(\sqrt{\gamma^2-\omega^2}\) の中身が正か負かで決まるわけですが、
\(\gamma =\frac{\rho}{2m}\) が粘性抵抗に由来する定数である事から、
粘性が強いほど特性方程式の解が実数解になりやすく、振動しない運動(過減衰)になりやすいという事です。
「では特性方程式が複素数解を持つ場合はどうなるのか?」と言いますと、結論は、
「振動しながら振幅が減衰し、時間が経つと原点(ばねの平衡点)に落ち着く」という運動になります。
ちなみに、特性方程式の解が重解の場合は、ぴったり合う事自体ほとんどないと考えられますが、減衰していく運動である事には変わりありません。

微積分学や物理の入門としては、まず「高校で教わった事を直接使える」ものについて、いくつか具体例を見ながら中に入っていけた事になります。同じように、まずは手持ちの知識を用いて入っていける部分から、少しずつ新規の知識も知っていくようにすると大学数学の内容に無理なく入っていけると思います。

このページで最も大事な事は、式や計算を暗記する事ではなくて、解き方や使われ方の概要をつかんでもらう事です。

参考文献・リンク


微分方程式の基礎 (数理科学ライブラリー)


講座 数学の考え方〈7〉常微分方程式論


常微分方程式 (理工系の数学入門コース)

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