円・扇形に関連する面積の計算

円と扇形の面積に関連する計算の数学・算数の問題について説明します。

円と扇形

まず、円の面積は半径の2乗と円周率(≒3.14)の積です。

円の面積

円の面積=半径×半径×3.14

例えば、半径が2メートルの円の面積はおおよそ2×2×3.14=12.56平方メートルという事です。

★尚、「円周率」は「円の周の長さ」と直径の比の事です。なぜ円周率が3.14なのかは別途に詳しくまとめています。

他方、「扇形」とはピザやアップルパイのように、中心からまっすぐ円周に向かって円を切り取った部分のような形の図形の事です。

この扇形の面積を計算するには、角度を使います。要するに角度が全体の何割かという事で、面積が円全体の何割かという事で計算するわけです。

扇形の面積

$$扇形の面積=円の面積×\frac{扇形の角度}{360°}=半径×半径×3.14×\frac{扇形の角度}{360°}$$ 扇形の角度とは、もちろん中心部分の角度の事です。
角度を「弧度法」で表す場合には、弧度法で表した扇形の角度を \(2\pi\) で割ります。

例えば、簡単な例では半円は円の半分の面積、1/4円の面積は円の1/4の面積です。60°の角度の扇形の面積は円の1/6の面積になります。

円と扇形の面積の計算問題①
弧度法とは角度と対応する円周部分の長さを角度その物として扱う方法です。主に高校数学以上で扱います。面積の記号にはS(surface)やA(area)をよく使います。

円・扇形に関する面積の応用問題

さて、算数や中学数学での図形の問題で、円や扇形に関連する「変な形」の図形の面積を計算させる問題があります。例えば、四角形から円を切り取った部分の面積や、1/4の円を組み合わせて作ったラグビーボールのような図形の面積です。

基本的には、ある図形の面積から別の図形の面積を差し引き、それをうまく組み合わせて変な形の図形の面積を上手に計算するのです。

円と扇形の面積の計算問題②

例えば、1辺の長さが2Rである正方形を考えましょう。これに円が内接する場合、円の半径はRになります。そこで、正方形から円の部分を切り取った図形(4つ分)の面積は次のようになります。

$$S=(2R)^2-R^2×3.14=(4-3.14)R^2=0.86R^2$$

R=1で正方形の1辺が2で正方形の面積が4である場合、約0.86が切り取られた部分の面積の合計というわけです。1部分の1つだけの面積を問う問題であればそれをさらに4で割ります。

ラグビーボール型の面積については、2段階を踏みます。
今度は円の半径が正方形の1辺に等しいのでこれをRとしましょう。

まず、正方形から4分円(円の4分の1)を引きます。

そして、その部分の2倍を、正方形から引きます。
これがラグビーボール型の図形の面積になります。

$$S=2×(R^2-R^2×3.14÷4)=2×0.215×R^2=0.43R^2$$

R=1であればラグビーボール型の図形の面積は約0.43という事になります。

この手の問題は図形の組み合わせによっていくらでも複雑にできるところがありますが、基本的にはこのように公式で面積が分かる図形から切り取った図形を組み合わせて計算します。

中学数学の場合は、三角形との組み合わせの問題もあり得ます。例えば、三平方の定理や図形の相似の関係と組み合わせるパターンです。

次図はその1つの例で、隠れてる扇形を見つける必要がある事、三平方の定理か三角比を使って1つの辺の長さを出す必要がある事から、一手間かかるタイプの問いです。

円と扇形の面積の計算問題③
この問題は小学校の知識だけで解答を出すのは多少難しいパターンです。三角形の辺の長さから扇形の角度を出して、未知の1つの辺の長さも計算する事になります。半円が交わる点がちょうど長方形の中の中間にある事を使います。

高校数学の場合はこのような問いが出題される頻度は少なくなりますが、積分の問題として、似たような図形の面積を計算させる問いは出題されます。